サンデーコミックス 時代COMICSどろろ第四巻のあらすじです。

第四巻

二ひきのサメの巻 イタチ率いる野盗の集団が、どろろと百鬼丸を襲う。
目当ては、どろろの背中に描かれた、金のありかを記したイレズミだ。
百鬼丸は、どろろを守ろうと足を外して、焼け水で応戦するも、イタチの短筒の前に倒れてしまう。
連れ去られる、どろろ。イタチ達に、海岸に連れて行かれ、父・火袋が宝を埋めたと言う、白骨岬を教えられる。
イタチは、火袋が「盗んだ金を、独り占めにしようとしていた」と言う。
信じられず、イタチに飛びかかるどろろ。
ついでに逃げようとして、岩に激突自爆し、気絶する。
イタチ達は、岬に渡ろうと船頭一家を攫って来るが「もののけが出るので、いやだ」と拒否したため、全員を斬り殺してしまう。
そこへ、男が現れて「船を出してやる」と言う。
イタチ達は、二艘の船に乗船した。
一艘は、男が漕ぐのだが、もう一艘も独りでに動き出した。不思議がる盗賊達。
男は「相棒が、海の中にいるのだ」と言う。
船から乗り出して海を見ると、船は二匹のサメの背に乗り、動いていた。
男はそのサメ達に二郎丸、三郎丸と名をつけ、飼っているのだという。
「小さい頃は、鳥等を与えていたが、大きくなるにつれ、餌も大きくなり、今では人間の味を覚えた」と言う。
そして「餌となる人間が、取れにくくなって、二匹とも腹を空かせている」と言うや否や、二匹が船をひっくり返し、盗賊達を喰らった。
男の船に乗っていたイタチ達も、外海へと流され、男は三郎丸に、船の見張りを命じて、二郎丸と去って行った。
意気消沈するイタチ達に、目を覚ましたどろろが、活を入れる。
サメの鼻先に飛び降りて、サメが海面に身を乗り出したら、刀を一斉に突き刺す、というアイディアを出し実行するどろろ。
見事サメを倒し、陸地に戻るべく、海の流れの上手から、潮の流れに乗って戻ろうと、船を漕ぐ。

しらぬいの巻 百鬼丸は、イタチとの戦いで片足を失ったが、どろろを探し求めていた。
海へと辿り着き、どろろを恋しく思い出す。
すると、海の彼方にどろろの呼びかけを、感知する。
どろろの、助けを求める声に応え、岩登りをする百鬼丸。
岩棚を進む百鬼丸に、本物のどろろの声と姿が見えた。
が、男=『しらぬい』が、二郎丸と戻って来るのを見て、妖怪だと見破る。
百鬼丸は、海へと飛び込むが、三郎丸を殺されたしらぬいは、逸早く皆殺しにしようと、船を転覆させようとする。
しかし、どろろがしらぬいに飛びかかり、海へと突き落とす。
その間に、百鬼丸はサメを攻撃する。サメは手傷を負い逃げ、どろろ達は陸に上がる。
イタチは、一時休戦を百鬼丸に持ちかける。
水を欲しがる盗賊達に、しらぬいは清水のわいている、岩の場所を教える。
中々帰って来ない盗賊達を、見に行ったどろろは、喰いちぎられた人体を発見する。
水の中に潜む物に、やられたのだと気付き、どろろは心の中で百鬼丸を呼ぶ。
しらぬいが、百鬼丸を止めようとしたが、振り払い駆けつけると、どろろはサメの目に突き刺した、百鬼丸の刀を抜こうと奮闘していた。
サメは陸に上がり、口から酒気を噴出させ、百鬼丸を酔わせた。
どろろは、サメの目が見えない方の側から、攻撃する様に、とアドバイスする。
百鬼丸は、サメの腹を切り裂いて倒す。しらぬいは、やられた二郎丸の仇を、取ろうとするが、百鬼丸に返り討ちにされる。
しらぬいは、死ぬ前に「二郎丸と、自分の体を結んで、海に流して欲しい」と頼む。
どろろ達は、その遺言通りにしてやるのだった。

無情岬の巻 背後から、矢を射られ倒れる百鬼丸。
イタチが、チャンスを狙っていたのだ。
どろろは、着物を脱がされ、背中の地図を写し取られる。
「一緒に来るか?」とイタチに言われるが「百鬼丸の側から、離れない」と言う。
百鬼丸に取りすがり、泣くどろろ。百鬼丸が、目を覚ます。
百鬼丸は、声を取り戻していた。
矢は、背骨に突き刺さったが、作り物のままだったため、ショックで気絶するだけで、済んだのだ。
気絶している間に、どろろの背中の地図を調べられた、と聞かされ後を追う。
イタチ達は、残り二人になっていたが、一人は墜落死し、イタチも落ちかかっていた。
どろろは、イタチを助ける。
百鬼丸は、岬に取り調べに来たと言う、代官達の軍勢と戦っていたが、多勢に無勢で、イタチがどろろを庇い、体中矢に射抜かれる。
イタチは「死ぬ前に、金を拝ませて欲しい」と言うが、金は無く『別の場所に移した』と書かれた手紙が入っていた。
岩を抱いて、兵士達の上に飛び降りるイタチ。
生き残ったどろろと、百鬼丸はその場を、後にするのだった。

どんぶりばらの巻 村の子供達が「妖怪が出た」と逃げて来る。
しかし、百鬼丸は「妖気を感じない」と相手にしない。
どろろが、辺りを探すと妖怪は見つかったが、捕らえてみると、それは少女だった。
要領を得ない返答に、どろろは知的障害者と思う。
村で、少女の身元を聞くと『どんぶり長者の娘のお米である』と教えられ、家へと連れて行く。
長者は、百鬼丸達に「お米は、少しオツムが弱いので、許してくれ」と言い、滞在を勧める。
だが、お米に化け物の真似をさせていたのは、他ならぬ長者であった。
大きな器に比べて、食事の量があまりに少ないので、給仕の女中に訳を聞く百鬼丸。
その村は、醍醐影光の領内で「戦のために年貢を、たくさん取り立てられているので、貧しいのだ」と言う。
それで、見た目だけでも豪華な、どんぶりによそるのだそうだ。
どろろは、納得出来ずに家捜しするが、何も出て来ない。
しかし、出掛ける長者を、不審に思った百鬼丸は、お米に長者の行方を問い質す。
長者に、妖気を感じたためだ。が、お米は質問にもとぼけて逃げ出す。
どろろは、長者の跡を付け、肥溜めに見せかけた、秘密の部屋を発見するが、長者に見つかり、見張り番の男に捕らえられてしまう。
どろろは、長者が年貢米をくすねて、秘密の部屋で、一人で飯を食べていた事、娘に化け物の格好をさせ、人を寄せ付けない様に、脅していたことを糾弾する。
化けの皮を、剥がされた長者は、どろろを始末させようと、男に命じて長持の中に、閉じ込める。
そして、なおも飯を食べ続ける長者の前に、本物の化け物が現れた。
一方、長者の家では、年貢米を出さない事に、業を煮やした醍醐影光が押し掛け「年貢は、ちゃんと供出している」と反論した村人と、お米を縛り鞭打たせた。
そこに百鬼丸が現れ「村人は嘘を言っていない」と言うが、影光は聞く耳を持たず、家来達に百鬼丸を襲わせるが、百鬼丸は峰打ちで倒す。
影光は、仕方なく帰って行き、お米達は解放された。
その頃、長者は腹が破裂しそうな程、化け物に無理矢理、飯を食わされていた。
化け物は、長者の膨れた腹のヘソから、長者の中に入り、養分を吸い取っては、またヘソから出て、長者に飯を食わせる、と繰り返していた。
そこへ、お米から長者の居場所へ、と案内された百鬼丸が、駆けつける。
見張りの男を倒し、隠し部屋へ行くと、長者のヘソから化け物が、中に入って行く所だった。
百鬼丸は、長者のヘソを塞ぎ、外に出られなくした。
長者を部屋から連れ出して、化け物を解放させ、戸外で斬ろうとしたが、それは実体ではなかった。
化け物の、跡を追う百鬼丸。凄まじい、妖気を発する沼に、たどり着く。
沼に飛び込み、浮き島に泳ぎ着くが、それは島ではなく、巨大な亀だった。
辛くも、それに気付いた百鬼丸だったが、亀の甲羅から毛?(藻の様な物?)が出て来て、百鬼丸の身体に巻き付いた。
亀は、百鬼丸を捕らえたまま、水の中に沈み、溺れさせるつもりなのだ。
そこへ、いくつもの縄付きの鎌が、甲羅に刺さった。
「あにきがいた、一気に引っ張り上げろ」と、どろろが村人の指揮を執っていた。
水から亀を引きずり出し、竹の節を抜いて、先を削ったものを、亀の首に突き刺した。
そこへ、百鬼丸の足の中に仕込まれた、薬を流し込む。
亀は、大きくなり過ぎて動けなくなり、自分が生きるための精気を得るため、人間に取り憑かせて、栄養を奪い取っていたのだ。
取り憑かれた長者は、その飢えを凌ぐ為に、年貢米をくすねたのだった。
百鬼丸を、助ける知恵を出したのは、お米だった。礼を言う百鬼丸。
そこへ、醍醐影光と賽の目の三郎太が、現れた。
百鬼丸と三郎太の戦いとなるが、百鬼丸は目を取り戻したために、光に目が眩む。
斬られる寸前の、百鬼丸の前に身を投げ出し、三郎太に斬られるお米。百鬼丸は、三郎太を殴り飛ばす。
お米は死に、百鬼丸とどろろは、そのまま村を去った。

四化入道の巻 川で水浴びをする二人。
百鬼丸は、皮膚の感覚を魔神に取られたので、どんな暑さ寒さも感じないのだ。
どろろは「便利だ」と言うが「何も感じないから、突然、熱中症や低体温症で、死ぬか知れないのだ」と百鬼丸は説明する。
岩の下に、魚を発見したどろろは、罠に手を挟まれる。
罠は、ヤスリで切るしかなく、百鬼丸は人家を探しに行く。
ようやく古寺を見つけたが、中からは妖気を纏った住職、四化入川=しけにゅうどう、が現れた。
罠の事を言うと「それは、自分の仕掛けた物だ」と言い、百鬼丸と共に、谷川に向かう。
百鬼丸は「わざと遠回りをして、時間を稼いでいるのだろう」と疑惑を口にするが、もう現場に着いていた。
しかし、どろろはいない。
「どろろを、隠したのはお前だ。遠回りしている間に、どろろを連れて行かせたのだ。お前には、化け物の臭いがする」と言って百鬼丸は、四化入道に斬り掛かるが、モグラの様に地面の中を逃げられる。
その痕跡を百鬼丸が辿ると、寺の境内の裏に通じていた。どろろを、探し回る百鬼丸。
そこへ、木こりが通りがかる。空き寺に、人の声がしたので、来たのだと言う。
「ここには、十年も人が住んでいない」と言う。
「この寺は、山の上にあり三方が見渡せるので、醍醐が砦を作ろうとしたのだが、寺の和尚が三ヵ村を戦場にしてしまうので嫌、と拒否したために、生 き埋めになってしまったのだ。その後、醍醐は寺を壊そうとしたが、野ネズミやカエルや、かわうその集団が現われるので、気味悪がって誰も近づかなり、和尚 の埋められた上、に供養塔を建てたのだ」と言う。
その供養塔を、百鬼丸は壊す。
大風が吹き荒れ、恨めしげに百鬼丸をなじる和尚。
しかし、百鬼丸は「和尚は、生き埋めにされた時に、野ネズミとカワウソと、モグラとカエルがいたために、それらの精気と混ざり合い、妖怪として生まれ変わったので、斬らねばならない」と言う。
どろろは、小動物の軍団に、喰われる覚悟を決めていたが、四化入道は、百鬼丸が手強いので、どろろを囮にして、百鬼丸を罠にかけようとする。
どろろの、閉じ込められている場所の天井が空き、井戸の底にいると思っていたどろろだったが、それは仏像の中だった。
古寺では、仏像の首が持ち上がったのを見て、百鬼丸が中を覗くと、どろろがいた。
すぐ、手の届きそうな位置に見えるが、途中で膜が張ってあり、大きく見える(虫眼鏡効果)のだ。
百鬼丸は、助けに行こうとするが、どろろは見事な連続ジャンプにより、自力で脱出し、まだ居た木こりから薪をもらい、火をつけて仏像の首から中へ落とし「こうすると、中で蒸し焼きに、されそうになった化け物が、谷川に通じる穴を使って、逃げるだろう」と百鬼丸に教えた。
モグラのトンネル出口で、待ち構える百鬼丸だったが、小動物ばかりで、肝心な四化入道が出て来ない。
閃いた百鬼丸は、新たに穴を掘り、百鬼丸の隙を突こうとした、四化入道の企みを見破り、剣を投げ刺し殺す。

ぬえの巻 和尚の守った三ヵ村を通り過ぎたが、人っ子一人おらず、唯一村に残っていたらしい寝たきり老人に、村の様子を聞くどろろ。
二ヶ月前、丘に砦を作るのだ、と全員駆り出されたらしい。
砦では、工事の遅れを取り戻させようと、焦る醍醐影光。
村に、病気で残る両親の看病を願い出た者を、鞭打ったり妊婦を馬で踏んだり、その非道を責めた女達を斬り殺したり、鬼の様な振る舞いをしていた。
それに、我慢が出来なくなった村人達は、談合して昼間に脱走を試みようとする。
しかし、その企みは影光に筒抜けだった。
影光は、先回りして兵を配備し、逃げようとする者達に矢を射かけ、戻れない様に村を焼き討ちにした。
小舟で、砦へと向かったどろろと百鬼丸の前に、老婆の亡霊が現れた。
老婆は、醍醐影光に焼き殺された『三河島のばば・みかわしまのばば』と言い「影光には四十八の妖怪が、取り憑いているので、罪も無い者達を平気で殺せる、呪われた人間である」と言う。
そして「わたしの息子に会い励まし、仇を討って欲しい」と訴え消えた。
突然、百鬼丸はどろろに「別れよう」と言い出す。
「今回は、影光と刺し違えるかもしれないので、巻き込みたく無いから、どこかに行け」と言う。
拒否するどろろ。「別れるくらいなら死ぬ、あにきに斬られる」と言う。
しかし「女は、斬らない」と言う百鬼丸。
驚くどろろに、百鬼丸は「目が開いた時から、気付いていた」と告げ「後を追うな」と言い去って行く。
百鬼丸は、醍醐影光の元に、士官に行く。
影光は「会わせたい者がいる」と百鬼丸を母親に会わせる。
お互い母子であるのを知るが、百鬼丸は拒絶し「親は、寿海と言う偉い医者で、身体を一人前に作り直してくれた、優しい立派な人だ」と言う。泣き崩れる母親。
どろろは、百鬼丸と別れた後、砦を作らされていた、三河島の村人達に捕まる。
トンネルを掘り、砦の中に侵入しよう、と言う計画だ。
どろろは、仲間になり穴掘りの先頭に立ち働いた。
穴は、砦内に通じたが、見張りの兵士に掘った穴を、見つかりそうになり、囮になるべく、どろろは飛び出すが、敢え無く捕まってしまう。
百鬼丸は、母親に「身体の足りない部分を、取り戻せたら、我が子と呼んで欲しい」と話すが、どろろの声に気付く。
影光は、百鬼丸に「仕官したいのが、本心ならどろろを斬れ」と言う。
百鬼丸は、刀を構えるが、どろろの後方に刀を投げた。
そこには、何匹もの化け物が合体した、妖怪ぬえがいた。
百鬼丸は戦い、ぬえは分解して逃げた。
この騒動のさなか、三河島の村人が、内側から門を開き、中に村人を招き入れた。
村人達は、砦を占領し醍醐影光と妻は、逐われて出て行くのだった。
百鬼丸は、どろろに「権力者と戦え、」と欲しがっていた刀を渡した後「お前はお前の道を行け、身体が完全になったら会おう。元気でな」と言い去って行くのだった。
百鬼丸のその後はわからない。
ただ、あの四十八体の彫刻のある地獄堂は、五十年後戦火によって、焼け落ちたそうである。  

〜おわり〜

全四巻完
最後どろろが「人の気持ちも知らないで〜」と悪態を吐くのは百鬼丸への告白だな、うん。
連載打ち切り、にしては纏まってはいるよね。
しかし、続いていたら、どんな話になったんだろう?
どろろは、女である必要があったのか?バイタリティはあるが、女の特徴的な行動や、思考はあまり描かれていない。
風呂や水浴びを嫌ったのも、裸を見られる羞恥心よりも、入れ墨を見られる事を、躊躇っていた様であるし。
現に入れ墨がばれた後は、平気で百鬼丸の前で、裸で水浴びしている=四化入道の巻。
百鬼丸が、お寿司を「綺麗だ」と言ったのに、嫉妬したのも女としてなのか、仲間というか肉親を他人に、奪われることへの嫉妬なのか、分かりにくい。
なのでやはり、どろろは単なる百鬼丸の相棒でしかない。
この相棒と言うのは、対等の関係の仲間の事である。
出会いでこそ、どろろは百鬼丸に助けられていたのだけれども、それ以降に描かれている関係は、お互い様であるからだ。
どろろが、男でも女でも助けたろうし、この物語では、どろろは男でも女でもなく、ただのどろろであり続けた。
そして、最後まで父と母には、優しさを向ける百鬼丸だったな。
アニメの、ニヒルでありながらも、最後排他的な様子を見せる百鬼丸、に対してゲームの方が、この原作に近い雰囲気がある様な気がする。
きっと、ゲームを作った人達は、どろろという作品に対して、並々ならぬ愛情を持っていた、に違い無い。と思う。
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