サンデーコミックス 時代COMICSどろろ第三巻のあらすじです。

第三巻


ばんもんの巻 巨大な、板の壁にたどり着いた、どろろと百鬼丸。

板についた矢の跡に「砦か何かだろう」と推察する百鬼丸。
そこで二人は、野宿するのだったが、夜半過ぎに狐の群れが襲いかかる。
朝日が射し、狐共は消えるが、百鬼丸が斬りまくった、狐の死骸も消え失せる。
そこへ、侍達が平民を縛り上げて、引き連れて来る。そして、板に縛り付け、矢を放つ。
殺された夫婦者に、子供達が駆け寄る。だが、侍大将は非情にも、死んだ親に取りすがる子供達も、矢で射殺させてしまう。
引き上げようとした侍達に、どろろが、待った!を掛ける。
殺された子供の、仇討ちとばかりにどろろは、棒切れを振り回し、侍共に向かって行く。
侍大将を挑発し、斬られそうになるが、百鬼丸が助けに入る。
しかし、戦いのさなか腕を外し、刀を抜いた百鬼丸に、驚く侍大将。
どろろが「48の魔物に、身体を持って行かれた」と話す。
急に引き上げる、侍大将。どろろは、子供達を埋めて弔う。
そして、二人は大きな町に、辿り着く。先に、町に入ったどろろは、町人達に捕まり、縄で縛られ、鞭打たれる拷問に合う。
気絶したどろろは、川に流される。
一方、百鬼丸は茶店で、茶を飲もうとするが、店主に「丘の板=ばんもん、を越えて来たのか?」と聞かれる。
「そうだ」と答えると、顔色を変え「出て行け」と言い出す。
訳を、聞こうとする百鬼丸を、侍達が取り囲んだ。
ゆっくりと、茶を飲んだ百鬼丸は、男達と店を出る。そして、湯のみを落とす。
湯のみが落ちるまでの間に、百鬼丸は男達を斬り殺した。
百鬼丸を、襲わせた男が現れる。男は、ばんもんで百鬼丸が出会った、侍大将の息子であり、父の名は『醍醐影光』自分は『多宝丸・たほうまる』であると名乗り、百鬼丸に家に来る様に誘う。

助六の巻 多宝丸に連れられて、醍醐影光の屋敷に着いた百鬼丸は、庭から妖気を感じる。
妖弧を、部屋に招き入れて、戦う百鬼丸。
苦戦するも、何とか撃退する。
そこへ、多宝丸が父親、影光を連れて来る。
そして、影光は百鬼丸に、自分の下で働く様とに勧めるが「戦の為に、うまれてきたんじゃねえ」と百鬼丸は断る。
百鬼丸の無礼な態度に、時々、ぶち切れ寸前になる多宝丸。
だが、影光は「百鬼丸が、寝たいなら寝かせて、起きたら飯を食わせろ」と言う。
一寝入りした百鬼丸は、突然どろろを思い出し、探しに行こうと窓から庭に出る。
すると、そこには影光の妻がいた。何かを感じる百鬼丸。
母親かも知れない、と思うが、否定し走り去る。
その頃どろろは『助六・すけろく』と言う少年に救われていた。
その少年は、河原で暮らしていたが「ちゃんと家はあるし、両親もいる」と言う。
ただ、ばんもんの向こうに、家があるので帰れないのだ。
ばんもんの向こうは、朝倉領でこちら側は、富樫領なのだそうだ。
あのばんもんは、丁度国境で、元々は一つの町だったのが、戦を境に仕切りの板塀が立てられ、遠くに遊びに出た助六は、戻れなくなったのだ。
板塀は、ほとんど焼け落ち一角を残すのみだが、それでも境界線は存在し続け、それを越えた者は処刑されるのだ。
そんな時、富樫領がついに朝倉領に、攻め込もうとしていた混乱に乗じて、助六とどろろは、ばんもんを越えようとする。
しかし、見張りに見つかってしまう。
助六を逃がし、捕まるどろろ。
ばんもんに、縛り付けられたどろろは、燃え盛る朝倉領の町を見る。
そして、ばんもんに助六が連れて来られる。
父も母も殺され、家は焼け落ちていた。
多宝丸の号令で、次々に射殺される人々。
助六も死に、とうとうどろろの番になる。
そこへ『今、行くぞ』と心の声で、百鬼丸が話し掛けて来た。
間一髪、どろろを救うが、多宝丸が戦いを挑んで来る。
その頃、百鬼丸と多宝丸の戦いを知った影光は、二人を止めようと、ばんもんに急ぐ。

愛憎の巻 その戦いの場で、妖怪狐から多宝丸が、弟だと知らされ驚く百鬼丸。
だが、百鬼丸の動揺を、見て取った多宝丸の攻撃に、躊躇する間もなく刀を繰り出す。
多宝丸は死に、知らぬが仏でいたかった百鬼丸は、妖弧に怒りを爆発させる。
妖弧の、噛み砕こうと開けた口に鼻=爆弾を喰らわせ倒す。
すると百鬼丸のが生えた。
百鬼丸とどろろは、巨大な妖弧の骸を、ばんもん一面に貼付ける。
崩れるばんもん。
人々は、ばんもんが無くなったのを見て、国境に駆けつける。
影光は、多宝丸の亡骸を見つけ嘆き、百鬼丸討伐の命令を下す。
その追っ手に見つかり、囲まれるどろろと百鬼丸。
百鬼丸は、その侍達を返り討ちにした後、急にどろろに別れを告げる。
冷たく突き放されたどろろは、意地を張り別れる。が、寂しくなり泣いていると、女が現れる。
それは、亡くなったどろろの母親に、そっくりな顔を持つ女だった。
握り飯をもらい、母と同じ顔に安心したどろろは、女の誘いに乗り、女の家へと付いて行く。
その頃、百鬼丸は自刃しようとしていた。
そこへ、またしても琵琶法師が現れ、百鬼丸を止める。
事情を聞いた上で「悲観して、死ぬ事は無いだろう」と言いのける琵琶法師。
だが、それよりも百鬼丸は、死霊の気配に気を取られ、どろろの身を案じ始め、どろろの後を追う。
どろろは、女に連れられ、滝の側の家に着く。

白面不動の巻 みしらずの滝、に奉られている、不動明王と滝に打たれる男。
女の家は、滝の近くにあり、行者の水ごりの為の館であった。
女に膝枕され、寝入るどろろ。
しかし、目覚めて女がいないのに気付き、辺りを探し回る。
洞穴を発見し、中に顔の無い、凍り付いた死体群を見て驚き、逃げ出すどろろ。
女と出会い、洞穴へと引き返すが、洞穴は消え失せどこにも無い。
どろろを家へと帰し、滝に向かう女。
先ほどの、滝に打たれる行者の元へ、身軽に上って行く。
のっぺらぼうと化した、行者の死体を滝壺に落とすと、不動の顔が変化する。
しかし、その顔を気に入らない不動は、どろろの顔を欲しがる。
女は、どろろに滝ごりをさせようとするが、どろろは激しく嫌がる。
女は、一度は不動の前に、どろろを無理矢理連れて行くが、自分を母と慕うどろろに、情が湧いていた為に、逃がす事にする。
女は死人で、不動に化けた妖怪に、生き返らせてもらう代わりに、顔を奪う人々に滝ごりさせていたのだ。
洞窟の死体は、不動に顔を取られた人々の、成れの果てなのだった。
女は、不動の怒りによって、死人に戻り、崩れ去った。
どろろは、不動の妖力で退路を断たれてしまい、不動の縄が変化した蛇に襲われる。
そこへ、百鬼丸が現れ、不動を退治した。
不動の正体は、不動の形に似た岩に、カビが生えそれに妖怪が、はいりこんだものだった。
百機丸は、を取り戻した。

みどろの巻 百鬼丸は、ばんもんの一の砦に戻り「醍醐影光に、確かめたい事があるので、どろろに待つていろ」と言うが、どろろはそれを拒否し、激しく抵抗するので、縛られて小屋に閉じ込められてしまう。
そのどろろの前に、軍馬『ミドロ号』の子馬を、売りに来た家来達が現れる。
子馬を買う、と騙して縄を解いてもらい、なおかつ馬泥棒するどろろ。
一方、子馬を取り上げられ、嘆き悲しむミドロ号を、主人は鞭打ち、醍醐の軍勢との戦いに、駆り出すのだった。
が、矢を射られ傷つき、動転して主人を踏み殺してしまう。
瀕死のミドロ号に、妖怪が語りかけ、人間への復讐心からミドロ号は、妖怪と一体化し妖馬となる。
その気配を、百鬼丸が察知し、斬り掛かるが逃げられ、百鬼丸は残された蹄の後を追って、小屋に入った。
すると、そこには『賽の目の三郎太・さいのめのさぶろうた』という若者がおり「仕官しに来た」と言い馬の事は知らないと言う。
百鬼丸が「卑怯者」となじると勝負を挑んで来た。
しかし、勝負はお預けになり、戦の結果が醍醐軍の勝利となったのを知り、三郎太は醍醐の元に、仕官しに行く。
そこへ、どろろが小馬に乗って、追いかけて来た。
子馬は、妖馬となったミドロ号を見つけ、走り寄ろうとするが、百鬼丸が止める。
追いかける百鬼丸だったが、時遅く、三郎太が自分の物にしてしまい、走り去る。
蹄の後を追いかけ、どろろと子馬は村へと入るが、村人は残らずミドロ号に、踏み殺されていた。
三郎太は、ミドロ号にもっと多くの人間を、踏み殺させようと、蹄鉄を強力な物に付け替えていた。
ミドロ号は、どろろを見ると襲いかかって来たが、子馬の姿を見ると逃げ出した。
どろろは、百鬼丸に報告し「馬は放っておこう」と言うが、百鬼丸は「妖怪を斬るまで動かない」と言う。
そこへ、果たし状が届く。馬に乗った三郎太が現れたが、百鬼丸は妖馬だけを退治した。

三巻完
多宝丸登場。百鬼丸よりも貫禄があるんだが…。
それに行動様式を見ても、高慢で支配者階級の嫌らしさが、滲み出ていて、醍醐影光親父を楽々、凌駕してさえいる様に見える。
駆け足っぽい描写だが、もう少し百鬼丸と多宝丸との、エピソードがあれば(和解しなくても)面白かったと思う。
それと、多宝丸は常に、右目を閉じているので隻眼か?と思ったが、百鬼丸が死に行く多宝丸に、声を掛けたら、目を開いたのでそうではなかった様だ。
ちょっとイミフ?だ。
しかし、弟殺しをしてしまうとは…まさに聖書の
『カインとアベル』
確かに、次男ばかりもてはやされて、長男が足蹴にされる所とか、そっくりだ。
ミドロ号を倒して、取り戻した部分は不明。
そして
蘊蓄を一つ、え〜蹄鉄は明治以降に、馬に付けられる様になったんで、時代考証的には、間違いです。まあ、漫画だからいいか
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