サンデーコミックス 時代COMICSどろろ第二巻のあらすじです。

第二巻


無惨帳の巻 どろろの回想

〜どろろの父親は、野盗の頭、野盗『火袋・ひぶくろ』だった。
母も同じく、野盗として働いていた。
元々、野盗達は水呑百姓だったのだが、戦に巻き込まれ、田畑は荒らされ家は焼かれ、親兄弟も殺され、ついに皆が立ち上がったのだ。
しかし、侍への反抗が、いつしか野盗となり下がり、それを続けて行くうちに、部下のイタチが心変わりした。権力の側(侍達)と手を組み、出世がしたくなったのだ。
それを、頑なに拒んだ火袋を陥れようと、イタチは火袋の子供、どろろを攫い代官に引き渡す。
火袋と妻『お自夜・おじや』は、どろろを助けに代官所に駆けつけ、捕縛される。
火袋は拷問に会い、配下になるように言われるが、拒み続ける。
その強情さに、親子共々、処刑される事に決まる。
だが、風が強く止んでからと言うのが、運命の分かれ道だった。
その間に、どろろが牢屋の隙間から、ハイハイして抜け出し、鍵を盗んだのだ。
火袋は、牢から出ると縁の下に潜り、屋敷の柱を鋸で全部挽き倒した。
屋敷は倒壊し、中にいた代官達も、下敷きとなった。残りの配下の者達も、皆殺しにした火袋だったが、イタチに捕らえられた妻子の姿を見る。
イタチに裏切られ、両足を射抜かれ、歩く事もままならない火袋親子は、放逐され当ても無く彷徨った。
戦が続き、飢饉が起こり、村が幾つも滅び、人が人を食べ生きながらえる中、ある時貴族が、どろろにまんじゅうを与えようとしたのを、突き返した火袋は、狼藉者として槍に突かれて死んでしまう。
その年の冬、山の中に迷い込んだ、どろろと母。
ついに母も死んでしまう。〜

百鬼丸は、どろろの過去を知る。

妖刀の巻 急に「しんでもらう」と声を掛けられた、どろろと百鬼丸。
姿を現したのは、浪人だった。
本人いわく「刀(似蛭という)が血を欲しがるので、斬っている。刀に使われているだけで、3ヶ月に一人、旅人を斬っている」のだそうだ。
戦う百鬼丸。
一刀交わした後、微動だにしない二人。持久戦の末、百鬼丸が勝ち、構えたまま気絶する浪人を、そのままにしようとするが、どろろが百鬼丸の隙を見て、妖刀を奪い逃げ出した。
しかし、どろろは妖刀の声に操られ、寺の参詣帰りの父娘を襲い、父親に斬り掛かる。
娘の懐のお札の効力で、一時的に動けなくなった、どろろの隙を見て、親子は村に逃げ帰る。
後を追い、村の中で大立ち回りを、繰り広げるどろろ。
その頃、あの浪人も刀を追って、村に入る。
その浪人は娘『お須志・おすし』の兄『田之介・たのすけ』だった。
その帰りを喜ぶ、年老いた母と傷ついた父。
しかし、田之介は村を出た五年前とは、変わり果てていた。
田之介は、城主の命令で砦や櫓を、作った大工達を『敵に、情報を漏らすかも知れない』と言う理由で、斬る様に命ぜられ、斬り殺した。
その時、使用した刀を、殿様から拝領したのだが、戦が終わっても、刀は血を求め続け、田之介はそれに応え、今に至るのだった。
鍛冶屋に立て籠るどろろは、田之介の戦略により、火攻めにされ捕まり、縛り首にされそうになる。
そこへ百鬼丸が現れ「どろろは刀に操られて、騒動を起こしたのだ」と説明する。村人は信じなかったが、刀を再び手にした田之介が、人々を斬り殺し始めたのを見て、ようやく信じた。
田之介は、自分の家に向かい始めた。止めようとする百鬼丸に「兄を殺さないで」とお須志が頼み込む。が、やるかやられるか、田之介に手傷を負わせた百鬼丸は、田之介に刀を渡す様に迫るが、田之介は刀の欲求に応え、自らの血を与え絶命する。
百鬼丸が、刀を打つと、刀に取り憑いていた妖怪は死に、刀も崩れ去った。
妖怪は、48の魔物で、百鬼丸の左目が落ち、本物の目が産まれた。
が、兄を殺されたお須志は、百鬼丸を罵倒し、即刻村からたたき出す。
その後、百鬼丸は川で水浴びをし、娘の美しさを称えるが、どろろが焼きもちを焼き、百鬼丸に当たり散らすが、足を滑らせて、川に落ちた所を剥かれる。
そして、その背中に描かれた絵の、理由を聞かれるが、どろろが拒否するので、百鬼丸はどろろの心を読む。
母親が、死ぬ3日前にお堂の下で、父親火袋が、虐げられた人々が、立ち上がる為に金を貯めていた、その隠し場所を、どろろの背中に描き込んだのだった。
「そんな金に、関心は無い」と言う百鬼丸だったが、琵琶法師が現れ「どろろの金を見つけ、不幸な人々の役に立つ事が、百鬼丸の生き甲斐であり、幸せである」と諭し去って行く。

鯖目の巻 女の物の怪に、子供の妖怪を押し付けられる百鬼丸。
その巨大な、ジャガイモの様に膨らんだ、胎児にも似た子供の妖怪を、百鬼丸はどろろに押し付ける。
一行は、焼け落ちた寺に、泊まる事にする。
夜中、その寺に夫婦が、子捨てに来る。
百鬼丸が、驚き問い詰めると『慈照尼・じしょうに』という尼が住職で、この寺には捨てられた子供が、約五十人いたという。
「産むなら捨てるな」と非難する百鬼丸。
「貧しくて捨てるのだ」と反論する夫婦に「捨てられた子供の、気持ちが判るか」と泣いて抗議する。
その最中に、子供の妖怪がどろろを、焼け跡の一角へと導く。
油の撒かれた跡。放火を疑う百鬼丸。
そこへ、土地の豪士『鯖目・さばめ』がやって来て、百鬼丸達を屋敷へ招待する。
そして「慈照尼は、実はとんだ食わせ者で、子供達を虐待し、売り飛ばしていたので、報いを受けたのだろう」と言う。
泊まる様に、と勧められ二人は、鯖目の屋敷から漂う妖気と、怪しい土蔵が気になり、逗留する。
その夜、どろろは部屋の中を物色し、盗みを働こうとする。
百鬼丸はどろろに、背中の埋蔵金探しの大役から、逃げる為につまらない泥棒をして、自分を慰めている、と指摘される。
改心しかけるどろろだったが、百鬼丸が妖怪の襲来する気配を、察知する。
寝た振りをする二人に、化け物が覆い被さる。
百鬼丸が、斬り掛かるが、相手は粘る糸を、体から出して反撃し、蛾の化け物も現れ、芋虫の化け物を助けて逃げて行く。
翌日、鯖目が二人を、追い出そうとするが、百鬼丸は居座る。
どろろは、百鬼丸の言いつけで、土蔵に忍び込む。
すると、そこには人間の皮、抜け殻があった。
そこへ、鯖目の奥方が殻を捨てにやって来て、どろろは捕まってしまう。
奥方の正体は、別の世界からやって来た『マイマイオンバ』という化け物で、鯖目と夫婦になったが、連れ子があり、その子供が脱皮を繰り返すのだが、慈照尼がその秘密を知ってしまった為に、寺の子供達共々焼き殺したのだった。
何とか、自力で戒めから逃れたどろろは、土蔵にあった油に火をつけ逃げ出す。
あわてて土蔵へと、駆けつける百鬼丸。
そして、どろろから事情を聞くが、鯖目が現れ、どろろの放火を責める。
しかし、どろろは奥方の秘密と、証拠を突きつける。
だが屋敷に火が燃え移り、逆上した鯖目は、百鬼丸に刀を向けるが、反対に腕を斬られる。
燃え上がる屋敷から、妖怪マイマイオンバ達が、飛び立ち逃げ出した。
百鬼丸は、村人達に「マイマイオンバは、村の若い男と夫婦になり、魂を吸い取り、この世に繁殖する」と警告する。

地獄編の巻 鯖目は、妻を探しマイマイオンバは姿を現すが、元の夫婦に戻り村に住む為に、百鬼丸に毒を飲ませる様に、と毒の粉を渡す。
どろろと百鬼丸は、村人達に尼寺であった事、鯖目の事を話し、村の警戒を強めたが、尼に化けたマイマイオンバ達に、まんまと村に入られてしまう。
百鬼丸は、鯖目が村人に与えた茶を飲まされ、毒に気付き毒消しを飲むものの、倒れてしまう。
どろろは、村人に警告に行くが、マイマイオンバ達に捕まってしまう。
寺の焼け跡で、赤ん坊の芋虫の餌にされそうになる。
そこへ、あの子供の妖怪が現れ、どろろを助ける。
この妖怪の正体は、焼き殺された寺の、子供達の魂が集合した姿、であった。
子供達一人一人に分かれ、マイマイオンバ達に取り付き、身動き出来なくさせ、村人達によって、底なし沼に追い立てられて全滅した。
百鬼丸が気になり、どろろは戻るが、鯖目が今にも動けない百鬼丸に、斬り掛かろうとするのを見る。
どろろは無我夢中で、丸いものを鯖目に目掛けて投げ続けた。
それは、百鬼丸が裏山から見つけ出した、マイマイオンバの卵だった。
底なし沼の、マイマイオンバがまだ、生きていると踏んだ百鬼丸。
夜船に松明を灯し、船でマイマイオンバを、誘き寄せる。
火に、吸い寄せられるマイマイオンバ達を、斬った百鬼丸は、右足を取り戻す。
翌朝、目覚めた百鬼丸は、鯖目が頭を丸め、尼寺の再建をし、子供達を弔うと聞かされる。
村では、祭りの用意をしていたが、どろろは村の竹やぶに、百鬼丸の作り物の足を、埋めようとするが、村人達に見咎められる。
そして、化け物呼ばわりされ「村から即刻、出て行け」と言われる。
激高して、祭りの櫓を壊して、暴れるどろろだったが、百鬼丸は黙って、村を出るのだった。

二巻完
本当に報われない二人である。
これも全部、親の因果が回って来ているんだろうか?
百鬼丸の親・醍醐影光は、天下を取る為に戦を起こし、弱い民を巻き添えにしている。
どろろの親も、最初は虐げられた者であったが、最後は野盗に成り下がり、ひたすら侍を憎み、妻のお自夜も、命乞いする侍の首を、容赦なく刎ねている。
やられたらやり返す、の果てしなく続く地獄の輪廻である。
なので、百鬼丸が身体の部位を、取り戻す為に48の魔神妖怪を倒すのは、身体を取り戻すだけで無く、妖怪の犠牲になる人々を、救う事でもある。
それこそが、親の尻拭いの罪滅ぼし、なのである。
だから、村を救ったのに忌み嫌われるのは、本当は意外でも、何でも無いのかも知れない。
百鬼丸には、可哀想なことだが。
よって、同じ様に人々に迷惑を掛けた後、改心した鯖目だけは、百鬼丸に優しいのだろう。
どろろも、埋蔵金を掘り出せれば、やはり弱い人々の希望となり、親の罪を軽くするのかも知れない。
しかし、読み返して勘違いしていたのは、鯖目の
異種婚である。
子供は、妖怪との間に産まれた子、と思っていたが、
"連れ子"であったとは。
何で勘違いしていたのだろう?
確かに、遺伝子レベルでは、異種過ぎて子供が産まれる事は無さそうだし、もしも出来たら、相当ヤバいだろう。
業が深過ぎて。
尤も
小説版ではちゃんと、異種婚で産まれている
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