本編その2 「そりゃどうも。でも、君にはどうかな?私のこの美しさとカリスマ性には(団長を除く)余人の付け入る隙などありはしないんだよ。そして、御夫人方も、この私の魅力の前にはイ〜チコロなのさッ!」 「だ〜〜っ、やめれ〜。俺の理想が、イメージが、今ガラガラと音を立てて崩れて行く〜〜っ。 「何を言ってるんだか。(それとも逝っちゃってる?)私に対する凡庸なイメージが払拭されたからと言って、嘆くには価しないんだよ。だから安心したまえ。まあ、私としては大いなる賛辞などは普段から聞き慣れていて、もう飽きてはいるがね。はっはっは」 「こんな、こんなイケスカナイやつだったとは・・・。おのれっ、一生の不覚ッ!」 「彼は何をエキサイティングしてるんだろうね」 「まあ、若い奴はすぐ頭に血が昇り易いから困ったもんだよ」 「ひとごとみたいにスカしてんじゃねえ!あんたっ、あんただよ!アスピリージャ。無口で大人しいだぁ。確かにそうだろうよ。だけどその変な趣味を人に押し付けるの止めてくんねえか?ハーブティーだとか、お香までは許せても刺繍なんざ男のする事かよ。部下にイニシャルの刺繍入りハンカチ配るのは止せ!おまけになんだぁ、今度はお菓子作りだぁ?ううう、俺達フェンリルナイツだぜ!! 泣く子も黙る狼様だよな?何か間違ってるぞ・・・いや、そうともこれは何かの間違いだ。俺は何かに騙されているに違い無い!」 「今度はぶつぶつ言い出したよ。本当に大丈夫かな?彼」 「ああ〜?、良いライバルって確かにあの時言ったよな?言ったハズだよな〜?カーツ。互いに技を切磋琢磨しあうのがライバルってもんだろ?なのに城下で気に入った娘がいると、いつも俺に色々と探りを入れさせて、なんで俺があんたのナンパを手伝わなきゃならんのですか?もしかして俺はパシリか、そうなのかっ?おまけにフラレる度に死ぬ程の特訓に付き合わせてくれちゃって・・・。あんた、もしかして脳みそまで筋肉でできてんの?」 「なに、なに〜♪みんなで集まっちゃって楽しそうだねえ。俺ッちも混ぜとくれ〜」 「おいっ、お前! これのどこが和気あいあいな雰囲気に見えるんだ。目ん玉腐ってるんじゃねえのか?この脳天気野郎。大体何が投げ技でぃ。いつも最後には寝技に持ち込んでくるんじゃねえよ。お前、ホントに『こっち』じゃねえんだろうな?」 「むっ、なにお〜、黙って聞いていれば、人の顔を見るなり言いたい放題、失敬な事ばっかり抜かすんじゃねぇ。おめえに寝技の何が判るってんでぃ。どあほう!
貴様なんざこうしてくれるわ」 「第一おめえは、初対面から気に入らねえんだよッ。俺ッちを女と間違えたろう!いきなり人の尻触ってきやがって。何考えてんだ。おめーはよッ!」 「うう、うっ・・・。ごっ、ごめんなさい。ホントあん時の事だけは俺が悪かった。ちょっと見ではどっちか判らなかったんで、つい魔が射しちまって 。いっ、いててっ!てめっ、この、何すんだよっ。人が大人しく謝ってンじゃねえか。いい加減、許せや!」 「いいやっ! 勘弁ならねえっ。おめえ、それが謝る者の態度かっ、ちゅうんじゃ!
おんどりゃ〜〜!」 「まぁ、マルコ。もういい、よせ」 「ちぇ、根性叩き直してやろうとおもったのに」 「しかし、幻滅だねえ。ギャレット君がなかなか打ち解けてくれないと思っていたら、そんな風にしか我々を見ていなかった、なんてねえ」 「ホント、ホント。所詮はお猿さッ。おっと、ごめんよ。アメディオ。君の事じゃないよ。君は俺ッちの大切な相棒だもんな〜♪」 「それにしても、正直・・・がっかりだね」 「確かに期待外れのルーキーだったな・・・。まあ、団長もたまには間違うって事さ」 なので、ギャレットはつい『カッ』として ギャレットは恐る恐る聞いてみた。 すると、行きかけていた一同は一斉に足を止め振り向き、そしてにっこり笑い ・・・ギャレットは果てしない脱力感に襲われた・・・ |
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