鉄の旋律あらすじ
1 ---アリサもきみを愛してるんならノおれの出る幕もないだろう---
発端は妹の結婚だった。ニューヨークから日本に留学して来た青年エディ(エドワード・アルバーニ)と親しくなった壇(ダン)・タクヤはエディの懇願に負け、妹アリサとの結婚を許した。しかし、エディの正体はニューヨークのマフィアの跡取りだった。タクヤは妹の結婚式に出席した後、市街で殺人を目撃する。持ち前の正義感から目撃情報を市当局に申し出てから、彼の人生は一変してしまった。証言した殺人犯はエディの同盟ファミリー(マフィアの一味)の仕業だったのだ。当局はこれ幸いと同盟ファミリーを芋づる式に逮捕して行った。その為に裏切り者の汚名と制裁を加えられたタクヤは私刑(リンチ)を受け両腕ももぎ取られてしまった。「FBIにタレ込んでみろ腕どころか両足もなくなるぜ。だがその前に妹がどうなるか、よーく考えてみるんだな」最愛の肉親である妹を人質同然に取られたタクヤは自らの手で、復讐を決意する!
2 ---義手だ!!かわりの腕をつけてくれ!!---
行き倒れたタクヤは慈善病院に助けられた。そこで九死に一生を得たタクヤは自分の意志通りに動く義手を探そうと奔走する。街で黒人の若者達にからかわれるタクヤ。彼を助けたのは、松葉杖をつく黒人バーディだった。彼もまたベトナム戦争で両足を失い思い通りに動く松葉杖のおかげで歩ける様になっていた。バーディはタクヤをカリフォルニア大学の超心理学研究室へと連れて行く。そこでは戦時中の収容所での虐待により自らESP能力を開花させたマッキントッシュ博士が更に研究を重ねていた。バーディの様に義手を自由に動かせる能力を得るべくタクヤは一年間訓練に励みそして成功した。その間、一族の代表として日本の企業と合弁の為再び日本に渡ったエディ。憎しみを募らせタクヤもまた日本に舞い戻った。無論、自分の復讐の為に。
3---にいさんノいったいどうしたの どうしてあの日から音沙汰がないの---
一方妹のアリサも兄タクヤの失踪に心を痛めていた。兄の手がかりを知りたいアリサは夫エディとその部下との話を聞こうと何の気無しに二人の近くに行く。それに気付いたエディはアリサを殴り折檻する。その日からエディはマフィアの本性を見せ、家庭外に何人も愛人を囲いアリサに見張りを付け軟禁状態にした。だが、そんなエディを嘲笑うかの様に、日本企業との合弁の場にアリサの監視役の犬とマフィアの部下の腕が切り取られて送られて来る。監視の犬と部下の
腕無し死体を部屋で見付けたアリサは兄と関係があるのでは?と不審に思い夫のエディに問い質す。そこへ折しもタクヤからエディに電話が掛かる。エディに復讐を宣言するタクヤ。
4---まさかノ眠っているうちに無意識に義手を---
夜中にうなされて目覚めるタクヤ。義手が無いのに気付く。もしやとエディの泊まるホテル部屋の真下に来ると、そこに義手が落ちているのを発見する。自分の意志とは関係無く動く義手を薄気味悪く思いはじめるタクヤ。だが、エディの会社の商品出荷のトラックの運転手が何者かに絞殺され両腕を切り取られた姿で車ごとUターンして突っ込んで来ると言う信じられない事が起こったのである。ここへ来て日本の警察もようやく動いた。事件担当の井潟警部がエディに事情を聞こうとしたがエディは強気で相手にしなかった。しかし、オフィスに戻ると窓ガラスが割れている。そして後ろから襲われ首を絞められるエディ。銃で応戦し、騒ぎを聞いて駆け付けた部下に救われる。
5---人間の深層心理は不可解なもんじゃ 本人自身にもどうにもならんわい---
テレビのニュースで自分の義手の犯行を確信したタクヤはマッキントッシュ博士に電話する。が相手を赦す心を持つしか無い、と言われる。一方エディも伯父の命令で妹アリサを囮にタクヤを誘き寄せ始末する様にと言われる。自由外出を許可されたアリサがホテルを出たのを知ったタクヤは、エディの目論見通り妹のアリサに接近を計る。しかし通り掛かりの車内から蜂の巣にされるタクヤ。その時義手はひとりでにタクヤの元を離れる。そして始末を命じたエディの伯父の両腕を引きちぎる義手。エディの部下を殺し銃を奪い、エディ自身に突き付ける義手。しかし、タイムアップ。タクヤの目覚めと同時に義手もその動きを止めたのだった。井潟警部はエディに全てを話す様に言うが、エディは拒否する。そして殺される恐怖に鬱病症状を顕わし始めたエディは、やむなく妻のアリサに兄の事を話す。直接兄に会って謝罪するように求めるアリサ。
6---おれはエディが憎い 刑事さんっあんたも憎い なによりもこんなことで挫折するおれが 心そこ憎い!---
意識を取り戻したものの記憶を失っていたタクヤは、アリサの出した新聞の三行広告を見て全てを思い出す。再会する二人。アリサは兄を説得しエディに心からの謝罪をさせることを約束する。その二人の会話を聞くものがいた。井潟である。そしてアリサとエディの前に現れるタクヤ。だが、タクヤを狙う存在に気付いたアリサはタクヤを庇い撃たれる。タクヤも撃たれる。ボディーガードが一族の命令でタクヤとアリサの兄弟を始末させる事にしたと事情を説明されるが、エディは愛するアリサの仇とばかりに二人を始末する。そこへ井潟達警察が登場し現行犯でエディを逮捕する。エディを殺させてくれ、と嘆願するタクヤ。しかし、必死に夫の許しを乞うアリサ。タクヤは全てを呪い憎む。そして鉄の腕は、またひとりでに動き出したのだった。   おわり

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