手塚リメイク作品の感想。
PLUTO(浦沢直樹氏)パイナップル・アーミーとかMASTERキートンは好きなのだがYAWARAとかHAPPYは見ねえ。MONSTERは非常に微妙。これニナが怪物の正体じゃないよね?だとしたら神(藁) 手塚治虫の鉄腕アトムの中の長篇漫画「地上最大のロボット」のリメイク作品。原作では勿論アトムが主人公だが、浦沢作品ではプルートの破壊すべき標的ロボットの七体の内の一体である、ドイツのロボット【ゲジヒト】である。このリメイクは失敗ではない。むしろ人間とロボットの自我と殺人の密接な関係をスリリングに描いていてサスペンス調だし、戦争と言うモノの闇部を肉体を持つ人間ではなくロボットに肩代わりさせている辺りは、危険な宇宙での任務をレプリカントに押し付けているブレードランナーを彷佛とさせるし、独特の世界を作るのに成功していると思う。でも、でもである。どうも手塚先生の影を無理矢理出そうとするあまり、その世界が壊れそうになっているのだ。もう、名前だけで(キャラ的にはアトム自体があんなに容姿が違っているのだから)全キャラ完璧に浦沢キャラにすればヨカッタのだ。実際、初めに出て来るモンブランを見て(なんじゃコレ!ギャグか?と思った)瞬間的に読むのを止めようかと思った。(マジです。だが、気を取り直し読み続け浦沢氏の仕掛けた謎に惹かれて読み続けている)とすれば、この作品は「ああ、手塚作品の方は確かにこんな筋だったね」って感じで物語のおおまかな筋だけ取り入れてもう後は好きにすればかなり違和感なかったのでは無いだろうか?ハッキリ言って、ロボット的過ぎるキャラ=モンブラン、ロボットを意識するキャラ=人間の真似してロボットの家族を持つブランド、に描く時読んでる方は萎える。手塚的にする為にジレンマは感じないのだろうか?と余計なお世話まで感じてしまう。浦沢氏は実力家であると思っている。読んでいて一番好きなのはベタだと言われるかも知れないが、【ノース2号】の回である。これは強く浦沢氏の本領が発揮されていると思うのは間違いだろうか?だからこそ違和感の下りに来ると、こんな描き方はふさわしくない、と感じてしまい腹が立つのだ。しかし、リメイクの欠点もこの作品に無い訳では無い。ウランの性格がアトムを熟知している読者にとっては、違和感ありまくりだ。そういう見方からするとこの作品がいかに優れていても、原作に忠実である事と外れる事の微妙なバランスの取り方は非常に難しいと言える。まだ途中なのでどうなるか判らないが、MONSTERの二重人格オチが出て来る辺りから急速につまらなくなったMONSTER=ヨハンが弱小化(別作品の様だ)2の舞いだけは止めてもらいたいと思う。
どろろ梵(道家大輔氏) ごめん、本当に何とかして欲しい。これはどろろ(百鬼丸)関連は自動的に購買する癖が付いているから買ってしまうのであって、買って読んだ後は結構真剣に後悔している。そして、読み返す事は無い。この話は妖怪退治も半端なら、意味不明の道中記も苛つく。作者の他の作品知らないが、この人が続編ってあまりに烏滸がましく無いか?スプラッタな場面だけ矢鱈と力が入ってるけど、その前にストーリーをなんとか…。あ、もういいや(藁)