おまけの遠野物語考察?
 遠野物語でおなじみの河童ですが、柳田先生にはよほど魅力的なテーマだったらしく、山島民譚集でも他の話の中でも度々ふれているようです。私も遠野物語を読むまでは、河童は緑色だけだと思っていました。色と形から私の場合はカメとカエルを足して二で割ったようなものという認識でしたね。
それが赤もいるというのはちょっと驚きでした。ここから私のダーク満載な話になりますので、そういう話が嫌いな人は読まないほうが良いかも知れません。とご注意しておきますね。

 あの遠野物語の河童の話は、ちょっと奇妙なんですよね。河童目撃談ではないからです。
河童みたいなのに遭遇した!というのをテレビニュースで見たことがありますけど、 その得体の知れない生物が逃げた後の家の縁の廊下には、粘液状物質が足跡型になってこびりついていた、という不思議な話で近年のことでした。
だから河童の話、というと大体が目撃か遭遇談のはずなのですが、遠野物語は河童の子供を産んだ、というものです。色が赤いのは赤ん坊だからでは?赤ちゃんというぐらい生まれたて の子供は赤い、のは常識です。
それよりも赤い、となると私の頭に浮かぶのは昔、親が読んでいた女性週刊誌に載っていた記事です。

 ショッキングを売り物にした記事で、写真まで付いていたので今でも軽くトラウマです。それは外国の話でしたが、父親から性的虐待、つまり近親相姦を強いられていた少女が、慰めてくれる弟とも肉体関係を持ってしまい、ついに妊娠して子供を産んだのですが、その子供が普通ではなかった。というものです。
ソーセージが弾けたような皮膚と書いてありましたが、写真を見る限りでは皮膚が(体毛も)ほぼありませんでした。一番近い印象なのが胎児です。だから、未成熟児で産まれたのかな、と一瞬思いました。写真を見ると黒目がちな顔だったのでやはりそうだったのかも。(相当前なので記憶もあいまい)
まあ、早い話が近親相姦の果てに未熟な奇形児が産まれてしまった、ということなのですが、被害者の少女がもっと悲惨な結果を押し付けられてしまった。と言う事実に、果てしなく暗い気持ちにさせられました。それを思い出しました。というか彷彿とさせられる話ではないでしょうか?

 だっておかしいでしょう。父親が人間じゃない、だから人間じゃない者が産まれても仕方ないってことでしょう。そういう普通じゃない子供は恥ずかしいから、人間として扱わないという意味なんでしょう。そう考えると河童の子なんてされて可哀想すぎます。
しかも、遠野物語では河童を生む家系、と言い切っているし何らかの遺伝病があったのではないか?と推測されますよね。
赤ん坊が健常児と違っていたから河童のせいにした、というのも何となくわからなくもないですが、それならいらない記述がついているのがまた不気味なんですよね。
それは、嫁がおかしくなった、目に見えない相手と浮気している。みたいなもの。嫁だから他から来た人ですよね。その嫁のせいにしたい気持ちがありあり。嫁がおかしくなったのは、みんなでいびったからでは?そんなストレスの中で妊娠して出産、しかも遺伝的におかしな家系(もっと考えると、小さい村なら村自体の婚姻相手が限られてしまい結果、親戚だらけだったかも。とすると、そういう血が近い者同士の結婚だった可能性もありうる)もうこれでもかという悪条件満載状態での妊娠出産。

 普通なら意地悪な家庭に天罰が下った、と考えたいですが、昔の良くも悪くもナアナアな村社会。河童のせいにして一件落着?
もっと嫌なことを考えると、嫁に来て孤立した女に優しくする存在が家族の中にいて、助ける代わりに体を差し出せとか、手塚治虫の奇子かよっ!なことがなかったとも言えません。それなら父親の存在を隠匿したい気持ちになるでしょうね。それこそ恥だから。
周りの家も薄々は真相を知ってるはずだけど、言わなかったでしょうね。田舎社会だったから。
 ざしきわらし、というのもまた奇妙な存在ですね。
これも裏遠野物語ともいうべき内容を内包した石神問答にも、ざしきわらしの記述があります。遠野物語では、可愛い妖怪、妖精か精霊みたいな記述でしか載ってませんが、(というか、あれは昔話的な要素が多分にあるので、どこか遠い国の話のような感じですが)石神問答を読むとその生々しさにびっくりしますよ。いやあな気持ちにもなるし。ということで、箋註:石神問答・下巻 をよろしくね!
そして、ざしきわらしに数種類があるって書いてあります。どう考えてもその描写は、かた、わな子供の記述。もう、社会から隠したり隔離したい存在は全部こういった妖怪になってるんじゃないのか?と思えます。

 それに、こういうと営業妨害になるって言われるかも知れないと思って黙ってましたが、どうも違うらしいので言いますが、石神問答のざしきわらしの記述の中に、ざしきわらしが死んだらその家から火が出る。つまり火事になるってあったんですよ。ざしきわらしで有名な宿が火事で全焼したというニュースありましたが、びっくりしましたよ。でも、建て直してまだざしきわらしが現れてるんなら、間違った情報だったか、新しいざしきわらしが来たのか、元々ざしきわらしは一人ではなく複数いた、ということなんでしょう。

(遠野物語のざしきわらしに似たような話に、雪女とその子供という話がありますが、あれも話の中でその姿を見た者は一人もいない、というのに何でそういう話になるのか?不思議すぎ)
 むしろ白い着物で現れるんなら、死んだ人、つまり幽霊ってことにならないでしょうか。寒さの中で見殺しにした女が、雪の中に幽霊になって現れる、見殺しにした人々を恨んで化けて出ている、んなら話はわかりますが、どうでしょう。