web年賀状用に手塚キャラで七福神を書こうと思い、七福神の格好と持ち物を調べていて気付いた事。日本の七福神は有名なのだが、その神々の出自は日本固有ではない。日本の神もいるが他に実在の人物やら、インド伝来の神もいたりする。で、調べて行くと似たようなのに、中国の八仙人と言うのが居た。これも七福神と同義で縁起の良い存在である。日本ではやはりマイナーだなあ。

明八仙=人間体の事。
暗八仙=力を発揮する時に用いる法器(道具)の事。それを持つ仙人を暗示するので、暗八仙と呼ばれるのである。
●李鉄拐(りてっかい) 葫蘆(瓢箪)中で仙薬を調合している。不老不死薬?
元々は筋骨隆々な男であったが、修行の為に幽体離脱して太上老君に崋山へと会いに行った時、弟子に「七日後に生き返らなければ体を焼くように」と言い付けていたのだが、六日目に弟子が母の危篤の知らせを受け『どうせ生き返る事もないだろう』と慌てて師の体を焼き母に会いに行った為、李は生き返ろうとしたのだが体が無くなっていた。仕方なく道端で餓死していた乞食の体に入って生き返ったのであるが、乞食は生前足が不自由だった。よって足が不自由になったので鉄の杖をついているが、ある時不自由な体をバカにされたので杖を龍に変えて驚かせた後、龍の背に乗り昇天した。身体障害者からの信仰が深い。
●漢鍾離(かんしょうり)または鍾離権(しょうりけん) 芭蕉扇 西遊記では羅刹女が持っていて火の山を鎮火させていたが、これは死者の魂を蘇らせる効力を持つ。
下の呂洞賓の師匠。漢に仕えていたが、漢が滅亡した後に西晋に仕えて将軍となるも、敗戦して山中に逃げ込みそこで東華帝君に出逢い様々な術を授かる。体格は太鼓腹で髭面、七福神の布袋+髭、っぽい。
●呂洞賓(りょどうひん) 剣 
都に科挙の試験を受けに行き落ちた時、上記の漢鍾離と出会う。そしてスカウトされるも一度は断る。だがその夜、【邯鄲の夢】の体験をし、人生の空しさに襲われ突発的に弟子入りをしてしまう。が、最初にすんなり言う事を聞かなかった為なのか、変な夢を見せられただけで無く実際に十の試練を与えられたのだった。家族全員死亡して埋めようとしたら生き返ったり、家畜の羊を虎から守ったり、泥棒に全財産盗まれた後畑で宝を掘り当てたけど放置したり、美女にしつこく誘惑されても無視して勉強を続けたり、etc俗人の弱さ克服メニューですか?な試練に合格し仙人となる。持っている剣は合格の御褒美。容姿はカッコイイ中年男。のせいなのか、八仙人で一番人気がある。何故か散髪屋の守護神である。
●藍采和(らんさいわ) 花籃(花かご)
男か女か不明。一説には両性具有者とまで言われている。それと、年を取らない容貌で万年童子と呼ばれていた事や、常に着物が破れており夏に厚着で冬に薄着というチグハグさと、歌いながら物乞いをするがその歌はでたらめにも関わらず仙道の教えが潜んでいた、と言われる所から元々肉体的にハンディキャップがある人で、なおかつ精神的に悟って別の世界に行ってしまった人だと思われる。しかし、性別不明と言う事は無垢な人特有の美しさがあったのかも知れない。
●韓湘子(かんしょうし)
中国で有名な文豪・韓愈の甥であり養われていた為に、詰め込み教育にコンプレックスが爆発したのか20歳の時に失踪する。しばらくして落ちぶれて戻るが、その時に草花の生育を速めると言う能力を獲得していた。牡丹を植えると、すぐに花が咲き、花びらに「雲は秦嶺に横たわりて家いずくにかある。雪は藍関を擁して馬進まず」と書いてあった。おじの韓愈がその意味を聞くと、「今に判る」と勿体ぶる。後に、韓愈が皇帝の怒りに触れて広東省で大雪にあい遭難しかけるが、その時になって花びらの句の意味が判ったのだった。藍関とは遭難しかけた場所の地名だった。そこに韓湘子が現れ、笛を吹いておじを助けた。そして、「私の学問は、あなたとは違うんだ」とどこかの政治家の様な事を言い、予言を幾つか残して去って行った。その予言は全部的中したが、韓湘子は二度とおじの元には戻らなかったと言う。雪を溶かしたり、草花の生育を速めると言う能力から、笛の効力は季節、もしくは気温を操るのではないか?と推察される。
●何仙姑(かせんこ) 蓮の花
八仙人の中の紅一点。14,5歳の時に夢に出て来た仙人に「雲母を食べると体が軽くなり不老不死になれる」と言われて雲母を食べ本当に仙人になる。年頃になっても嫁に行くのを拒否し、毎日山の中をふらふら彷徨う。そのうち様子が人間離れしてきて、言葉もおかしくなる。噂を聞いた中国三大悪女の一人、武則天に召し抱えられそうになるが、武則天の元に向かう途中で失踪する。雲母は化粧品にも使われるので、食べるよりも塗るほうが女性としては正しい使い方なのではないだろうか?もしかすると、雲母の他にも別の鉱物(有毒)を摂取していた為に喋りがおかしく=ろれつが回らないとか?になったのではないか?とも推測される。
●張果老(ちょうかろう) 魚鼓(楽器の一種)
一番仙人らしい容貌。白髭の超老人。白いロバに後ろ向きに乗り、そのまま一日に数万里も移動する事が出来た。そのロバは使わない時は瓢箪に仕舞い使う時に瓢箪から出して使っていた。「瓢箪から駒」の語源の人である。尸解している。尸解とは仙人になるのに肉体を残す事である。というか死んだフリが上手。時の権力者に呼ばれると死んで見せる。死体も腐って行くのに数日後ピンピンした姿で再び現れる、と言う事を何度も繰り返す。その正体は、混沌=中国神話における天地開闢神話の天と地が混沌であった頃、に現れた白蝙蝠の精であると言われている。
●曹国舅(そうこっきゅう) 玉板(玉製の板)
姉が皇帝の妃だったので結構な権力はあるものの控えめな良い人だった。が、その弟は彼と正反対で金も女も盗み放題で人殺しも平気でしていた。曹国舅はこれを苦々しく思っていて日頃から弟に意見をしていたが、逆に弟に邪魔者は消せと始末されそうになったのを察知して隠遁し、仙人になるべく修行をした。その後呂洞賓と漢鍾離に出会い、Q何をしているA道の修行をしている Q道って何?A天を指差す Q天はどこ?A自分の胸のあたりを指差す。これに「正解! 心は天であり、天は道だ」と俗人には理解出来ない問答をして仙人の仲間入りを果たす。
えー、何となく私が暗示的な夢とか変わった夢を見て覚えてるのって、アジアンな設定の事が多いんだね。『17,8位で父親方に引き取られた設定の青年になった夢の時。自分は三男だった。長男が豪傑な容貌の男だが、シャーマンで、火の焚かれた祭壇の前でずっと祈りを捧げている=祈祷している。次男はお供の男と共に二階に引きこもって降りて来ない。で自分とその下に二人の男の子=双児では無いか、もしくは二卵生双生児、がいた。で、引き取られたのは次男と自分で当然母親違いなんだけど、長男とチビ達は母親が一緒みたいだった。次男の容貌は細身の優男。自分は中肉中背の普通の男。皆外見は全然似ていない。でもって格好が中国というか韓国なのか?日本では無いけど着物に似た格好している。その夢のオチみたいなのは、次男は死んでいて別の世界=二階にいて=二階自体存在していない、そこにアクセス出来た自分(次男は予言みたいな事を私に教えてくれた)もシャーマン的な力を持っていた。だから引き取られたと言う事。弟達も多分そういう力を持っている。他にも力の無い男兄弟が沢山存在したかも知れないと言う事と、なぜか産まれて来る兄弟は全部男だけだったと言う夢』です。他にもこんなアジアンで変わった設定の夢は見るけど、まあそれはまた気が向いた時にwかもね。

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