話のあらすじ 時は下り昭和の頃。地下鉄開通に沸く市民達。その地下鉄に初乗りに訪れた中には昔と少しも変わらぬ薬売りの姿があった。汽車は走る、人を乗せて思惑も乗せて。ある車両に集められた人々あり。その関連する先には鉄道開通にまつわる、ある女性記者の死があった。思いもよらぬ殺人推理劇! そして登場人物達が前作ayakashiの化け猫に登場したキャラ達が生まれ変わった姿での再登場というおまけ付き!

(正体)

(何が起こったか)

(気持ち)

(結果)
自殺したとされる、女新聞記者市川節子(いちかわせつこ)、が利用したモノノ怪、化け猫。 地下鉄開通に招待乗車に来た、市長を始めとする7人が先頭車両に閉じ込められてしまった。その閉じ込められた人々は女新聞記者の死の真相に関わっていた人達だった。真相をパズルを完成させる様に、各人の証言をピースにして当てはめ真実、何が起こったかを導き出した。 皆、事件に対して誠実な対応をしなかった為に後ろめたさを感じている。運転手はそのキャリアを傷つけたく無い気持ちから接触事故を無視した。女給は目立ちたい為に調子の良い偽証を。主婦(未亡人)は不倫を知られたく無くて故意に争う声を聞いた証言をしなかった。牛乳配達少年は見たものを深く考えなかった。刑事は現場の状況だけみて自殺と決めつけた。上司の記者は権力とつるみ女記者への嫉妬もあって彼女を排除し自殺の偽記事を書いた。 それぞれ、運転手は足、女給は口、配達少年は目、未亡人は耳を、刑事は腕を、と言う様に、その罪の部分を痒みと痛みで罰した。が、実行犯である所の市長と上司の記者だけはその死をもって償わされたのである。
化け猫。になるのかも知れないが、これは無念の思いが猫に乗り移って復讐したのだろう。人間の怨念が猫の魔性の力を借りたモノノ怪=化け猫って事であろう。 新聞社の女性記者が轢死した。刑事の関係者への聞き込みや状況証拠などから、自殺と断定された。 目撃者達は最初から自殺と断定されていたのを聞いた為に、自分の実際に見聞きしたものではなく、自分の都合の悪い部分や面倒に巻き込まれる恐れのある事実部分を端折ったり、隠蔽したりして自殺という結果に迎合する様な証言を、意識的あるいは無意識的にしてしまっていた。 女性記者の死の原因は、地下鉄開通による市長の汚職の摘発によるものであった。信頼していた上司に記事を揉み消されそうになり、抵抗したら線路の上に落とされ、彼女は轢死したのである。
この話は明治位か?と思っちゃったよ。しかしっ、皆さん騙されちゃいけやせんぜ!地下鉄開通は昭和2年上野・浅草間が初なんで少なくともそれ以降の話。よって、これは昭和の物語りだったんだね。意外ね!(←桜金造 調で)んでもって、女キャラ(ちよ)の職業カフェの女給ってこれはチップで生計を建てる女給=ホステス原形のらしいから流行ったのも大正・昭和の初め頃モボ・モガ(モダンボーイ・モダンガール)も大正から昭和にかけて、だもんね。色々ミスリードさせられそうになったけど、(って皆そうでもないかな?)検証もめんどいので割愛。ただ物語の時代は間違い無く昭和初期であると言う事で。とすると、薬売りさんは近年まで全国旅してモノノ怪退治をしていた事になるね。なんか少しほのぼの、だなあ。スマートじゃない列車の旅の思い出だ。田舎(=田舎に向けて朝5時に家を出ると到着が午後3時過ぎ。一両列車に初めて乗ったりの僻地)から出て来たおばさんを家族で迎えに行って東京駅で新聞紙に包んだものを貰った。中には真っ黒で大きなお握りが入ってて具の梅干しがやたら塩ッ辛くておまけにでかい、それはお手製弁当の残りだったって記憶。小学校の遠足でお昼御飯の時先生達に『味好み』みたいなお菓子の袋を「お一つどうぞ」と差し出したら煮干しみたいなのを皆が必ず取る!、と言う事実と共に思い出しました。いつの時代だよ!って流石に自分でも思うけど、そんなに昔でも無いよね。走ってたのも汽車じゃないし。今回の話だが、江戸川乱歩臭い雰囲気の漂う話だった。女記者の死の真相を暴く、のが筋であるので殺人推理劇だね。これの犯人が女記者の身内の者なら、関係者を騙して一車両に集めて連結器外して孤立させて、数珠つなぎに皆を手錠かなんかで繋いで縛り付けて逃げられなくした上に、爆弾かなんかで脅して白状させるとかそんな感じになりそうだ。この場合モノノ怪の不可思議な力で皆を虜にして怖い思いさせて=脅迫、白状させている訳なんだけど。こう考えるとあんま変わらないよね。今回のツボった部分は薬売りさんが、本当に薬売りしようとしていた所(って、薬売りなんだけどね)。刑事が聞き込みした時の事を忘れて「一々覚えていられるか!」と偉そうに発言した後で、すかさず「物忘れに効く薬は…」と言っていたり、女記者絡みの異常事態と知って愕然としている上司の記者に「気付け薬は?」と勧めて来たり、意外とちゃっかり商売人?かも。そして、やはりモノノ怪は人がいる限り居なくなる事は無い、そうですが斬る事は出来るそうなんで、機会があれば薬売りに会えるかも知れませんね。 終わり

モドル