第11話「流刑のかげに仕掛あり」
町方に同業者の堺屋殺しの罪で捕らえられた高田屋吉右衛門。しかし、大人しく罪状も認否せず受け入れる様子を見て、吉右衛門を陥れた張本人である岡っ引きの岩蔵は不審を抱く。吉右衛門は最期まで大人しく首を斬られる。そして八丁堀同心の役得である女風呂一番湯に浸っていた中村主水の所にその岩蔵が現われる。そして知ってか知らずか主水に仕置人の話をしてカマをかける。おきんが仕置きの密談をしている鉄と錠の二人の元へやって来る。仕置き人を探す男が居て小判をばら撒いていると言うのだ。それを探ろうとするおきんを止める鉄る。しかし、おきんは独断で男の後を尾行し途中で現れたお島に尾行を依頼する。そこへ半次が主水からの招集を伝えに来る。主水が言うには、今度の標的鬼岩こと岩蔵が何か感づいたらしい、と言う事だ。二百両の大金がかかった仕事なので慎重に進めたい主水。岩蔵は岡っ引き達を取り仕切っているので下手を打つと主水の首が危ないのだ。鉄も手立てを考え直すと言う。そんな中、錠の所へ仕置き人を探す男=有明屋の番頭、が現れたが、「何も知らねえ」と追い返す。それを見ておきんから足が付いたと気付く鉄。その通り岩蔵の手下が気付き逆に尾行されていたのだ。観音長屋に目をつける岩蔵。有明屋に偵察に行く鉄。見つかるが命からがら逃げ出す。堺屋殺しの犯人は実は有明屋で、自首したのだが有明屋の女房が岩蔵に金を積み、事件をもみ消したのだ。奉行所では主水が茶を飲んでいたが、同僚が「岩蔵が仕置人を捕まえた」と言うのを聞き、慌てて鉄達の元に駆けつけるが、誰もいない。放心状態の主水は家に帰る。そのただならぬ様子に甲斐甲斐しく世話をし始めるせんとりつ。そこへ半次の声がして飛び出して行く主水。お島がとうとう捕まったのだ。主水はお島が捕まったらお きんに頼まれたと自白するだろうと言い、主水は自分の首を賭けて計画を練る。おきんはお島を救いに自ら鬼岩の元に行き捕まりお島と共に拷問される。半次は瓦版に事件の真相を書いて捕まり、おきんに後二日でカタを付けるので辛抱する様に言う。鉄と錠は有明屋に行き「明日の晩八丁堀に梅の湯へ来させろ」と脅迫する。風呂屋の周りは町方に囲まれるが、そこで鉄と錠の二人は鬼岩と死闘を繰り広げる。なんとか湯船で骨を外して岩蔵を沈める。そして捕り方には主水が岩蔵が死んだ事と、堺屋殺しの真犯人を見つけたと言う事で岩蔵の死は不問に付され、有明屋は密かに島流しになったと言う事で解散していた。お島はおきんに迷惑料十両を請求したのだった。
ツボったみどころ。なんだかんだで結構捕まる頻度が高い仕置人達。ほかの必殺では捕まったらほとんどが死亡フラグなんだけどね。
第12話「女ひとりの地獄旅」
忍者によって襲われる人々。小屋に集められ火を付けられる…。半次は夜鷹に惚れたので所帯を持つから仕置人を辞めると言い出す。そして資金を作りに巷で流行りの竜山寺焼きの壺を売りに行った半次は偽物と言われがっくり。半次はその竜山寺焼きを産出する畠山藩の屋敷前で好きな夜鷹に出会う。娘は畠山藩の人間に見つかると追われて斬りつけられ怪我を負う。半次は娘を連れ錠の元へ逃げ込む。朝早く主水は畠山藩に呼ばれる。血相を変えて鉄の元へ行く主水。半次と錠の事を主水に探させる=観音長屋は主水の受け持ち、つもりなのだと言う。そして娘を連れて行けば三十両貰えると言う。半次と娘がそこに居るのを見た主水は娘から事情を聞くと言うが、半次は娘は唖であると言う。しかし、半次が娘の持ち物の焼き物を見つけた時に、娘が異国の言葉で話したのを聞き唖ではないのを知る。筆談で娘は清国の者で一族が船で難破し、畠山藩に漂着したが焼き物の技術を持っているので保護されていた=焼き物をどんどん焼かせて高値で売りその金で老中の地位を買おうとしていた。が、ある朝皆殺しにあった=畠山藩が国の鎖国令を無視し た のがバレそうになって始末された。のだと言う。半次は娘の持っていた焼き物の香炉を百両で売り仕置料を作る。鉄はそれで半次に娘と所帯を持てと言うが、錠は娘の苦しみを判っていないと反論する。主水は仕置の手立てはあると言う。もうすぐ参勤交代で国元へ帰る時、犬猿の仲の松平の領地を通る時に揉め事が起こればチャンスだと言う。主水のみ江戸に残り、畠山藩の屋敷へ行き松平藩が藩主の命を狙っていると言い、松平藩の屋敷へ行き畠山藩が腰抜け呼ばわりしていたと焚き付けた。鉄・錠・おきん・半次・異国の娘は大名行列の一行の後を追っていた。主水の江戸での工作が功を奏し、松平藩内で待ち伏せ襲撃が起こった。しかし、藩主は籠の中におらず、錠は藩主一行は別の道を通ったと読み、先回りして待ち伏せする。五人の護衛=忍者と藩主を襲う鉄と錠。何とか藩主を捕まえ骨を外し動けなくして娘に仇を討たせる。しかしそこへ逃げていた忍者が助っ人を連れて戻って来る。背中を刺される娘。半次は娘を背負い逃げたが娘は死んでしまう。江戸では主水が藩主の死の知らせを聞く。娘を荼毘に付しつつ鉄は半次に聞くのだった。「仕置人辞めるのか?」半次は答えた「やる」
ツボったみどころ。今回はそれ何て『柳生一族の陰謀』&『十三人の刺客』だった。これだから必殺はやめられない。
第13話「悪いやつほどよく見える」
若侍が娘を抱え、油問屋相生屋へ押し入った。おきん達は慌てて見に行く。何もやる気が起きないらしい錠の元へ鉄が金を借りに来るが無いと言われ不貞腐れる。相生屋に押し入った侍は大騒ぎになるのを望んでいた。娘は岩城藩の家老の娘で、藩は内密にして欲しいと北町奉行所に金を持って来る。与力の原田は主水を呼ぶ。そして五十両渡し、解決する様に言う。主水は鉄達の元へ仕事として話を持って来る。町人を斬り殺し娘を攫った犯人を仕置し、娘を救い出すと言うのだ。半次は一足先に相生屋へ忍び込むが若侍に見つかってしまう。おきんは家の周りの役人を裸踊りをすると引きつけておき、鉄と錠は屋根裏から相生屋に 忍 び込む。がこれも先に捕まっていた半次と出くわしたために見つかってしまう。そこで鉄と錠が知らされる半次が聞いた話によると、国元の飢饉の為直訴に来た百姓達を直訴前に抹殺=家老は藩主を老中にしたい為に金が必要で百姓達から搾り取っていた、しているのを見かねた若侍=元々は郷士(土着の農民で武士の待遇を受けていた者。だから農民の気持ちがわかる)、が騒ぎを起こして藩の悪逆非道の所業を世間に知らしめる計画だったのだ。半次は男の味方をして瓦版に書いてバラまくと言い、錠も話が違うので止めだ、と言い鉄も真相を知って気が抜けるのだった。その頃、家老と相生屋は繋がっていて、新たに直訴に来ていた名主も他の百姓達と共に皆殺しにしていた。真相を聞いた主水も怒りに燃えた。錠は家老を(表立って)始末すれば済むと言うが、主水はそれでは娘は助かるが若侍は死ぬだろう、そして岩城藩では金で何とかしようとしていたが、奉行所ではどう見ても娘を取り返せる見込みがなく、失敗の詰め腹を切らせるために主水に命じたのだろう、そのための五十両、命の値段なのだと言う。真相を確かめようと鉄は言い、主水も次第によっては家老を仕置にすると言う。鉄とおきんは岩城藩の屋敷に忍び込み事件を見ていた女中を攫い、真相を吐かせようとする。女中は若侍は町人を斬り殺しては居なかったと告白する。そして藩内の庭で死体の山=直訴の百姓達、を見て家老の仕置を決める。主水も上役の原田に真相を話すが取り合ってもらえず家老の仕置を決意する。若侍が家老の娘を巻き込んだのは、前に若侍が娘が好きで憧れていた時に、呼び出されて有頂天になっていた所を、他の若い郎等に袋叩きにされて一昼夜木に縛り付けられるという目に会わされたから、ためらわずにできたのだという。その話を聞いていた錠も若侍の心に打たれ仕置きを決意する。三人は岩木藩の前で合流し、鉄と錠が中に入る。鉄は天井から家老の部屋へ侵入し「庭の百姓が呼んでるぜ」と良い仕置きする。錠も用人を始末する。主水は若侍に家老の死を伝える。翌日若侍は切腹した。主水と錠は「侍でなくても生きられただろう」とお互いその死を悼むのだった。
ツボったみどころ。どうやら主水にも志の為に死のうとした事があった、と言うのが判明。「死んで花実が咲くじゃなし」の鉄の言葉、最近はなぜか聞かない言葉だなと思った。それと錠の元気がない理由が恋わずらいだったw
第14話「賭けた命のかわら版」
半 次は瓦版の自分の縄張りで兄貴分の留造に客を持って行かれてしまう。しかし、留造は記事にした鳴海屋の手下の揉み消し屋に手を刺され、版元である家も襲撃される。鳴海屋はライバルである我孫子屋を陥れ工事を受注しようと、船に火を点けて沈めたのだった。それを瓦版に書く半次。船が沈んだので荷物を預けていた債権者たちが押し寄せる。瓦版に書いてあるから鳴海屋を訴えろと言われるが、瓦版では証拠にならないからと土下座して詫びる我孫子屋。霊岸島の護岸工事がどうしても欲しい鳴海屋は、抜け荷の品を我孫子屋の船と倉庫に入れたのだった。捕まる我孫子屋。瓦版やの留造は半次に連れられて主水家に行って、我孫子屋のことを訴える。奉行所で拷問される我孫子屋。奉行所で我孫子屋が拷問を受けているその姿を見る主水。その一方で、奉行が握りつぶした訴状を鳴海屋に見せているのも目撃する主水。今回の悪事を瓦版に書く留造。しかしもみ消し屋達に家を襲撃され女房を攫われてしまう。女房を捜す留造と半次。だが女房は舌を噛み切って自害していた。町では我孫子屋の生き残りが訴状を出しに行くと揉み消し屋に襲われたり殺されていた。賄賂を受け取らない工事の責任者を鳴海屋は家に呼び出し、女房を色仕掛に使ったが効かないので女房を目の前で殺して見せてその殺人の濡れ衣を着せ、まんまと罠に嵌める鳴海屋。その現場を押さえた留造と半次だったが、留造は見つかり殺されてしまう。半次は留造が残した鳴海屋の悪事を記した原版を探し出す。が、そこには何も確証は無かった。半次は兄貴は俺に書いて欲しかったのだと言い、原版を作る。その原版を鉄は鳴海屋に百両で売りつけ仕置料にする。鳴海屋の悪事を揉み消していた奉行所の小坂、と鳴海屋、と揉み消し屋達は、吉原で工事受注の祝いの宴を催していた。そこへ鉄が乗り込み、障子越しに鳴海屋を始末する。小坂は厠に入った所を隣の厠に入った錠から刺され、揉み消し屋は鉄が首を吊らせる。その事件を聞いて吉原へと乗り込んだ主水は鉄から金を貰い錠、半次と共に逃がしてやるのだった。
ツボったみどころ。吉原の喧噪の中で静かに仕置がなされ、標的と仕置人のコントラストが流石!最近は仕事=仕置きしていない主水。


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