第1話「いのちを売ってさらし首」
第2話「牢屋でのこす血のねがい」
出会い茶屋の風呂場で絡み合う男女。女は男を簪で刺し殺す。翌日口に花札をくわえた男の死体が別の場所で発見される。中村主水は男の死体の腕に女の髪の毛が付いているのを発見する。現場に居た鉄はそれを触り若い女の物だと言う…。中村家の朝食で好物の豆腐のみそ汁が無いのを嘆く主水であったが、市中の豆腐が値上がりしているそうで女達から安月給を詰られる。その後主水は鉄とおきんの元へ行き、憂さ晴らしに三人で豆腐を食べに行く。そこで連続して雑穀問屋が殺されていると話す主水。雑穀問屋は花札に例えられており、その中でも五人の元締めが狙われているらしいと気付く。最初に死んだのが五人の中で一番のやり手だったのだが、殺しではなく抜け荷の罪で無一文となり首を吊って死んだのだ。それから二人の元締めが殺され口に花札が詰め込まれていたのだった。残った元締めは二人。その残った元締めの1人越後屋が殺されて土左ヱ門で上がったと聞き、主水は飛び出して行く。残された鉄達とお勘定(一両三分)…。主水は上役から残された元締めの警護を『主水が目立たない男だから』と言う理由で抜擢され、三両もらう。その中から一両づつ錠と鉄に渡して警護に雇う。主水は殺しの手口が変わったのと、値上げの儲けが今や山城屋一人のものになったのが腑に落ちず、山城屋が関与している疑いがあるので引き受けたのだと言う。最初は渋っていた錠もそれを聞いて用心棒の仕事を受ける。主水は山城屋に「恨みを買う覚えは無いか?」と聞くが山城屋は「商売以外では無い」と言う。屋敷の外で警護していた鉄と錠。そこへ女がやって来て誘われるままに仕事を放り出し女の後を追う鉄。女と致した後で鉄は殺された雑穀問屋の腕に付いていた毛と女の髪の毛が同一の物であると気付く。女が何か探ろうとしていたのを見透し立ち去る鉄。そこへ「お役御免になって来た」と言う錠が、主水が山城屋一行の豆の買い付けに同行し八王子へ行ったと知らせに来る。八王子の宿で山城屋の部屋に女が入って来る。「変な浪人に絡まれて怖いから少し匿って欲しい」と言われ、鼻の下を伸ばす山城屋。女はすぐに去って行ったが、廊下で女とスレ違った主水は女に見覚えがあると思う。女が風呂に入っていると山城屋が来て女にちょっかいを出すが、簪で襲われる。揉み合っている内に用心棒の浪人達が女を取り押さえる。山城屋は腹いせに女を浪人達の慰み者にする。止める事の出来ない主水。女は張付けの罪に決まる。鉄はそれを聞いて主水に文句を言う。主水は女に会い事情を聞く。女の父泉屋は豆の買い占めに反対し、罠に陥れられ自害。母と姉も後を追って自害。養女に出されていた自分だけが助かる。顔を知られていないのを幸いに復讐を決意。元締めの二人は確かに殺したが、越後屋は殺していない。と言い、主水に頼んで家の木の下に埋めてある金で鉄に仕置きを依頼したのだった。山城屋は夜桜見物の宴を開き、主水はそれに招待される。そこで鉄・錠・主水は山城屋を除いた者達=用心棒他、を仕置する。山城屋は骨を外して身体の自由を奪って監禁し、兵糧攻めにし飯と引き換えに雑穀類を安価で売らせ、越後屋殺しも自白させた。半次も瓦版に書き立てて悪事を暴き、大金を失って権力の後ろ盾も無くした山城屋は張付け獄門になったのだった。
ツボったみどころ。この回で主水は頭が切れる、鉄は好色、錠は熱血というのが判る。にしてもエロ過ぎ。ジャニーズ主演じゃ出来ないな。
第3話「はみだし者に情なし」
女湯を覗く目明かしの男。そこで目を付けた子守り女を誘い出し乱暴しようとする。そこへ鉄が仕置きに現われる。しかし、その現場は出歯亀に見られていた。鉄は錠が作った船を改造した集会場=隠れ家に行く。ほどなくしておきんが仕置料の後金を貰ってやって来た。非番の日は洗濯する主水。せんとりつは上役の高坂の元へご機嫌伺いに出る。漬け物とみそ汁と冷や飯の昼食を用意された留守番主水だったが、目明かしが殺された事で奉行所から呼び出しを喰らう。あの出歯亀=ホムレスは現場の目撃を白状する様に拷問される。《別の場所で…女がろうそくのSMを受ける。女は怯えながらも男達の中の1人の正体を見破り=三国屋、訴えると騒いだため溺死させられる》。主水は鉄達が自分を出し抜いて仕置の依頼を受けた事を責めるのだった。その後、とうとう情報を得たのか町方が動き出したのを見た主水は鉄達の姿を捜す。そして捕り方に囲まれているのを知り、主水は自ら鉄と錠を捕らえる。主水は上役高坂=前話で悪徳商人の山城屋より賄賂を貰って悪事を揉み消して居た、から褒美の五両を貰うが、この件から手を引けと言われる。鉄と錠は吊るされ叩き責めを受ける。それを見てビビる主水。家では手柄を立てた主水をちやほやするせんとりつ。天神の小六の元へ鉄と錠が送り込まれる。事情を聞く小六。牢番に賄賂を渡し外へ出る。主水は宿直と言って家を出る。天神の小六の使いが来ていたのだ。小六の元にあの出歯亀がいた。20年間乞食をして溜めた金で目を潰された=隻眼だったのだが拷問で残った目にろうそくのろうを入れられた、仇を討ってくれと話し、主水はそれを引き受ける。主水が市中の見回りをしていると、半次に呼ばれる。そこにはおきんと陰間のお姉さんがいた。捕り物の時に来た同心の1人に見覚えがあると言う。向島の屋敷(日本橋のろうそく問屋三国屋)で行われた変態プレイに何も知らされずに参加した事があるそうである。三国屋を張り込むおきんと半次。おきんは外出する三国屋の後を追う。すると貧乏人を無料で看てくれる診療所、医者の道安の元に入って行った。そこで変態プレイに供する女を探そうというのだ。同心島本に三国屋の事をちらつかせる主水。島本は上役の高坂と相談し、鉄と錠を釈放した上で殺そうと目論む。島本と高坂と殺された目明かしが女の調達に一枚噛んでいたのを鉄と錠に知られたと思ったのだ。解き放ちになりすぐに襲われる錠と鉄。しかし返り討ちにする。襲って来た中に島本がいるのに気付き捕まえる鉄。目隠しして監禁する。中々口を割らない島本をメタメタに殴りつける主水。だが、ついに紀州藩の江戸家老も変態仲間であるのを吐かせる。おきんは道安の元に探りを入れる為に潜り込んだが、人身御供にされそうになる。途中で陰間のお姉さんと入れ替わり、座敷でのショーはメチャメチャになる。その騒ぎに乗じて三国屋、高坂、家老を捕まえ「北と南以外にも地獄の奉行所がある」と一席打つ主水。その場にあの出歯亀が現れ自ら島本に自分がされたのと同じ方法で復讐を果たす。残りの者達はお面を被せて橋の上で裸踊りをさせ、衆人環視の前で晒し者にし川に落とした。錠は出歯亀の集金椀の中に仕置料の半分の一両を入れてやり、主水は自分が多く貰えば良かったと悔やむのだった。
ツボったみどころ。最後の主水と錠の金に対する態度が真逆で笑えた。出し抜かれたからその分多く取れば良かったと後から思うものの、その場では公平を心掛けている主水。錠は=情に通じている様だ。2話での落とし前が付いてるのも良しw


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