このサイトは手塚系は少年漫画が主題となっているので、この『アドルフに告ぐ』はアダルト対象の為、サイトの主旨からは外れるのですが、どうみてもアノ漫画を彷佛とさせるし手塚公式サイトにも投稿し、折角ですので載せときます。
《まず、イラストについて》
二人のアドルフの髪と目の色などは勝手に設定しました。おっさん雑誌に掲載された為、カラーページが存在していないからです。しかし、パン屋のアドルフ=アドルフ・カミルは作中女先生に「俺が仲間外れなのは、目が青いからか」と食って掛かっている台詞があるので目はであると判ります。そして親戚がドイツから逃げて来た。そして、両親もドイツの国籍を持っている事からドイツ地方に根付いていたユダヤ人であると言う事も判ります。ちなみにユダヤ人の定義とはユダヤ教を信仰する人々と言う意味です。日本人の様に国=民族という単純なものではないです。元々民族的にユダヤ人という特徴を持った人々が居ても、2000年保てるか?流浪して世界中に散らばって、って日本人が日本沈没して領土を失い世界に散らばって2000年後に日本人が黒髪と黒目を維持できるか?を考えれば答えは出ますね?そしてそれは何を意味するか?容貌もその辺に住んでいる人々に類似していると推測されます。ユダヤ人は容貌は捨てても神への信仰、愛だけは変わらない、って事ですね。後は簡単です。このアドルフもドイツ人には比較的金髪と青い目が多いそうなのでそうしました。むしろ、日本人とのハーフのアドルフ=アドルフ・カウフマンの方が、問題です。実際は金髪よりも黒髪になる確率の方が高いのですが、あくまで確率的に高いのでまあ金髪でもありえます。恐らく大人になるに従って栗色に近い金髪になるでしょう。目が問題です。青はありえないです。茶色がかったグリーン系?。よって現実に即したイラストなら幼いパン屋のアドルフはそのままで、ハーフのアドルフは茶色がかった緑の瞳で金髪。大人の方もハーフのアドルフのみ髪は茶金色で目はブラウングリーンに変更、が正しいでしょう。そうしようとしました。しかし、待った。これは漫画です。これはむしろ所謂漫画設定(漫画では水色やピンクの髪の毛もぜんぜんオッケー!)を生かすべき。幼児期から二人の容姿はクリソツだった。そして日本人の中では互いに浮いた存在であった為により近づいた似た者同士の二人、の関係が大人になるとイデオロギーによって分たれた。『あんなに二人は似ていたのに皮肉なものだ、』と読者に思ってもらう、これですよ。カラーが無かったのは紙面の都合でしょうが、手塚先生もその辺の事情を突っ込まれて説明すんの面倒だし、読者ならそれ位判ってよ、ってのもあるんじゃないかな。もしくは、ニヤニヤしながら「気付くかな?」とほくそ笑んでたのかも?ですねー。イラストを描くにあたり、一応調べてこの様に考察しました。その結果がまあ上のイラストですよ。
作品紹介…『アドルフに告ぐ』とは
アドルフ・ヒトラーの出自の秘密が記載された文書を巡って、それを暴こうとする日本人の峠 草平(とうげ そうへい)の物語と、同じくその文書の秘密を守ろうとするエリートナチスの父、を持つハーフの少年アドルフ・カウフマンとその親友のユダヤ人少年アドルフ・カミルの友情の歴史を描いた物語である(恐らく)。
テーマとしては日本人の草平のサスペンスタッチな物語=松本清張っぽい、ものでは戦時中の日本草平の軍に対する頑な抵抗と対照的な市民の迎合に対する批判、多勢に無勢の判官びいき等、読者はそれらの心情を引き出されある意味まだ気楽なのだが、ナチスのエリートとして成長するアドルフ・カウフマンと、ユダヤ人のカミルとの関係となると、もうお互いに不倶戴天となるのは目に見えているのでやるせない。おまけに戦争が終わっても舞台を新たに争い続けてるし。親しければ親しい程、離反した時には憎さも倍増するのであろう。しかも、ハッキリ言っちゃうと二人の亀裂の直接的な原因は女の取り合いなんである。オスだなあ、まあ愛とか家族とかに直結するから仕方ないのかもだけどね。ハーフのアドルフも危ない橋を渡って救った女を親友に取られたら、流石に『裏切り者』とは思うだろうし。パン屋のアドルフはアドルフで、詳しい事情も知ってか知らずか兎に角女の様子で、そんなに向こうのアドルフを好きって感じではない、からイイかな?と思って婚約しちゃった所に日本に帰ったハーフのアドルフに彼女を乱暴された事で怒り爆発、ハーフのアドルフも彼女は自分のものと思っていたので返り討ちにしてくれる、みたいな戦闘モードに突入。そして二人は仇同士に、だよなーどう見ても。女で相手を裏切るってこれはやっぱり『未来人カオス』だと思う。
おまけ。読んだ人にしか判らない、小ネタ。峠の奥さん=元カウフマン婦人が開いた料理店の名前ズッペで思い出したのがズッパイングレーゼ=イギリス風のスープと言う意味のイタリアのお菓子。スプーンですくわないと食べられない位もろいお菓子だからこの名前が付いた。ズッペはドイツ語でスープの意味である。面白いのはドイツ語ではSuppe=スープは、飲むtrinken=飲む、ではなくessen=食べる、という表現なのである。


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