ついでに・・・
【神楽】で演じられる黒塚と【能】で演じられる黒塚と【歌舞伎】もあります。
その前に・・・
【神楽】とは。元々は神の依る神座(かむくら)の意味でその前で神を祭る祈りを
歌舞音楽にして奉納する事を指します。神代の時代、天照大御神(あまてらす
おおみかみ)が天の岩戸に御隠れになられた時に、天宇受売命(あまのうずめ
のみこと)が神憑かりになってストリップ紛いの躍りを躍り狂って男神達の
やんやの喝采を浴び、これが芸能の始祖ともなった。
【能】とは、奈良時代に中国から来た芸能〈散楽=器楽・歌謡・舞踊・物真似・曲芸・奇術〉の中の一部がのちに発展したもの。
【歌舞伎】とは、元々は出雲大社の巫女である出雲阿国が京都で男装して茶屋遊び
をする真似をして大好評を得てこれが歌舞伎の始祖であるとされている。
で、この3種類では演じられる黒塚の内容も少し違います。
【神楽】島根県浜田市の石見(いわみ)神楽など。流石わ、神話の時代の本家本元
の島根県! この県では神楽が盛んなのです。私も愛するあの人の演ずる獅子舞が見たかったです・・・。
大体が『安達が原』と『殺生石(九尾の狐・玉藻前)』をミックスさせた内容
の様です。
旅の修行僧とお供の者が旅人を騙して殺してしまう鬼女に会う。
2人はそれと知らずに一夜の宿を求めるのだが、女の美しさ怪しさに不審を
抱いた修行僧によって鬼女は正体を暴かれてしまう。
看破され狐に変化した鬼女は修行僧達と戦い、修行僧の法力を破り
お供の者を食い殺す。修行僧はほうほうの体で逃げ出す。
そして狐は朝廷の勅使である2人の武士に射殺される。
【能】山伏の一行が山中で出会った老婆に一夜の宿を求めるが、これが伝説の鬼婆
。薪を拾いに行く間、部屋を見てはならぬ、と言う老婆の言葉を反って不審に思い
覗いてみると、骸がごろごろ・・・。これぞ噂に聞く安達が原の黒塚であったのか、
と一行は逃げ出しますが秘密を知られた鬼婆が追い掛けて来ます。
山伏が五方の明王に祈ると老婆は調伏されて消えて行きます。
【歌舞伎】安達が原の鬼女と化した岩手の元に阿闍梨祐慶一行が訪れます。
祐慶に説法されて一度は改心したかに見えた岩手だったが、部屋を覗かない様に
との約束を破られた事を知った時、再び鬼女と化し祐慶達に襲い掛かる。
が調伏されてしまう。
関連モノとして参考に・・・なるかな?
夢枕 獏 (著), 野口 賢 (著) KUROZUKA-黒塚- ジャンプコミックスデラックス
手塚治虫もこの主題で描いてます。SFっぽかったですけど。
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