石ノ森章太郎の世界は、どこかしらメランコリックでえらくリリカル=叙情的である。そしてヒロインとなる女性が全て、いわゆる『綺麗なお姉さんは好きですか』のCMに出て来そうな、大人で神秘的なタイプばかりである。これは作者の理想のタイプなのか、女性への憧憬や崇拝が感じられる。これは早世した美しい姉への思慕と言う事で、透明な美しさを持つ儚い女性はその人がモデルなのだろうと思われる。