物語 ルーマニアから正当なる『※ヴラド・ツェペシュ=ルーマニア独立の英雄でもある、通称ドラキュラ公、串刺し公とも言う』の末裔であるドン・ドラキュラ伯爵=吸血鬼、が日本に移住して来た。貴族としての誇りを忘れないながらも、美しい処女の生き血に目が無く何とかして血を吸おうとあれやこれやと騒動を巻き起こす。それに他の魔物や、ドラキュラハンターで宿命のライバル、リップ・ヴァン・ウィンクル・ヘルシング教授との対決も絡んでシッチャカメッチャカに---。
ドンは冷血なイメージの吸血鬼らしさがちらほら見られるものの、全体的には娘を溺愛する良いお父さん=親ばかであり、娘の為なら命も惜しまないのである。そして意外にも紳士的に、人間の血を吸っても殺さない程度に良心的である。見掛けは中年、行動パターンも頑固親父そのものである。人間と共生?できているのはドンのこの人間臭い性格ゆえであろう。
ジャンルから言うとこれはギャグ漫画である。深刻そうな内容を扱っていても最後はナンセンスで笑える。これはブラックジャックとは正反対なものを目指したとあるが、チョコラ=ピノコと考えると、案外家庭版ブラックジャックなんじゃないかという気がする。
※ヴラド・ツェペシュ・ドラキュラ公・・・ツェペシュ=ルーマニア語で串刺しを意味する。恐怖政治を行い、自分に刃向かうもの邪魔者の全てを串刺しや死刑にした。自分に刃向かうもの=自分の領土内で勢力を持った貴族達=一応味方、オスマン‐トルコ兵=敵、は全て串刺しにした。邪魔者=犯罪者や、老人・病人などの社会的弱者、を集めて焼き殺しもした。ドラキュラとはドラクルDoraculu=ドラゴン+a=息子、つまりドラゴンの息子の意味。父親がドラクル=ドラゴン公と呼ばれていた為。


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