| 豪華な応接間にいるブラックジャック。身なりの良い女が入ってくる。そして「先生、はるばる日本からおまねきしたので申し訳ないのですけれど…」といきなり手術のキャンセルを申し出る。ブラックジャックが無免許医なので、やはり外聞が悪いからと言い訳を述べる。旦那の手術は世界一と名高い外科医のハンス・エンゲルにやってもらったと言う。しかたなく帰ろうとするブラックジャック。そこに往診にきていたらしいハンスに出くわす。ハンスとブラックジャックはお互いの噂は耳にして存在は知っていたらしい。ハンスはブラックジャックを車で駅まで送りましょう、と言いブラックジャックは車に乗り込む。ハンスは「一度あなたのオペを拝見したいものだ。さぞかし無免許流の一風かわった技術でしょうな」と言う。（内心少しムッとしているらしいブラックジャックの顔）二またの道でブラックジャックは「駅はこっちの道ですよ」と言うが、ハンスはそっちは通れないと言う。レンタカーで通ってきたブラックジャックがそう言うと、ハンスは飛び上がって驚く。「あの道を通ったって!？」ハンス言う所によると、その道には修道院の跡があり、そこに魔女が住んでいて悪魔を産み落としたと言う。「ばかばかしい!!」と車を降り徒で廃虚に向かうブラックジャック。ハンスは止めようとするが、「わたしは教会もキリストも知らないんでね」とさっさと歩き出す。廃虚で「誰かいるのか!?」と声をかけ捜しまわるブラックジャック。扉を開けるとそこには襤褸を纏った奇妙な子供（１つ目と三本指）がいた。捕まえると「その子をいじめるのは…やめて…お願い」と声がする。ブラックジャックが見たのは、やはり粗末な身なりでベッドに伏す女の姿だった。女はゾロアスター教徒で=地元のキリスト教徒から見ると異教徒、よそものだから魔女と呼ばれていたのだった。そして、子供は以前に勤めていたミラノの化学工場で毒ガス中毒に会った時に、妊娠していた為に障害が出てしまったのだった。夫にも逃げられ各地を転々として流れ着いた親子が魔女と悪魔の正体だったのだ。ブラックジャックは母親に、手術道具一式を持っているのでこの子を並みの子供に見える様に手術してやろうと言う。お馴染みのビニール製？の無菌室で手術をしていると、ハンスと地元の牧師＆信者のジモティー達が押し掛けてくる。それを母親が察知し「先生逃げて下さい」と言う。ブラックジャックはハンスに「この親子は公害病患者で異教徒だ。別の宗教はみんな邪教で悪魔扱いするのか!?
それでも世界一の医者かい？泣きますぜ、ライセンスがね」とさっきのお返しを混ぜてw言う。地元民達はブラックジャックも「あいつも悪魔にちがいねえ、ブッ殺せ」と迫るが、ブラックジャックは「そこから一歩でも近づいたやつは、このメスで心臓をえぐり出してやるぞ」と必死に患者を守ろうとする。その姿に医者としての使命感を思い出したのかハンスが「やめろ」と地元民達を制する。「悪魔をかばうおつもりか」「村に住めなくなりますぜ」の脅しにも怯まず地元民を帰すハンス。「手伝おうブラックジャック先生」の言葉に「いらん、あなたはわたしの無免許流を見たがっていたんだろう」というブラックジャック。肩をすくめるハンス。「安心しろ。どうやらきみの息子は悪魔から天使へ生まれかわる」と母親に言葉をかけるハンス。母親は泣くばかりだった。 |